民意とのねじれを生まない政治へ

私たち東京・生活者ネットワークが推薦した比例代表の大河原まさこさんの得票は71398票で、民進党の比例候補者22名中18位。同党が獲得した11議席の枠に入ることができませんでした。比例改選数48をめぐり164名が立候補したうち、個人得票では55位という結果でした。

「比例の投票用紙には政党名を書くんでしょ?」というのが多くの有権者の認識。最初から政党が候補者の当選順位を決めている「拘束名簿方式」をとる衆院選の場合はそうですが、当選順位を事前に決めない「非拘束名簿方式」をとる参議院議員選挙では「有権者が、名簿に登載された候補者1人の氏名を自書する方法で行われる」のであり、「ただし、候補者の氏名に代えて、名簿届出政党等の名称又は略称を自書することができる」とされ、政党名による投票は但し書きとなっています。個人名を書く、ただし政党名でもよい、というのが投票の決まり。この順序、逆に思っている人も多いと思います。

そして当選は、候補者名による投票の得票数と政党名による投票の得票数を合算し、各政党の総得票数に比例して当選人の数を配分(ドント方式)。その数の中で、政党ごとに得票数の多い順に当選人が決まっていきます。

この「非拘束名簿式比例代表制」の利点としてまず言われるのが、個人の得票数によって当選が決まることで、有権者に支持された候補者が当選しやすく、民意を反映できるということ。しかし、個人票の多い順に当選が決まることは、一方で、知名度の高い候補者が断然有利となり、実力があっても知名度の低い候補者は当選しにくいというのも事実。その場合は、やはり全国にくまなく固い組織を持つことが当選の決め手となるのでしょう。

当落の結果を見ると、7万票を超える得票の民進・大河原さんは落選ですが、おおさか維新・石井苗子さんは68147票で、共産・田村智子さんは49113票でそれぞれ当選。今回7枠を獲得した公明では、1位の長沢広明さんは942266票、7議席目の宮崎勝さんは何と18571票で当選となりました。一方、10万票以上獲得しながら落選となったのは、291188票の改革・山田太郎さんを筆頭に、153197票の社民・吉田忠智さんなど6名。

参議院議員の任期は衆議院より2年長い6年。被選挙権は衆議院より5歳年長の30歳以上。解散もなく、じっくりと腰を据えて、慎重な審議を行うことができる参議院。3年ごとに半数改選をとるのも、全員が選挙対策に追われて本務がおろそかにならないようにするため。

当選された方々には、民意とのねじれ現象が生じないよう、しっかりと政権をチェックしていただきたいと思います。

さて、14日から始まる東京都知事選挙では、東京・生活者ネットワーク鳥越俊太郎さん を応援します。公共事業より子育て・介護の社会化を進めましょう。