「学童クラブ」を包括する放課後や土曜日の全児童対策「すくすくスクール」事業は、17年度には区内すべての小学校で行われることになっています。この事業は、①学校施設を最大限に利用する②教職員ではない、専門のスタッフを置く③地域力を活用するため、73校それぞれのやり方がある④学童クラブについては、6年生までの希望者を全員受け入れ、内容は今までどおり。こうしたことが前提です。「設備も規模も違う学校で、定員枠をなくして希望者は全員受け入れる。どこも質は落とさず、さらに73校それぞれのやり方でOK。」当初からされてきたこの説明は、いいとこどりで、現実的には矛盾しているようにも思えます。
新年度、新たに実施される小学校で、1月後半、区の説明会が行われました。この学校は大規模校であり、2つの「学童クラブ」が校内に統合されるため、学童登録者だけでも100名を超すことが予想されています。担当者の説明は相変わらず理念や総論に終始し、しかも質問は個々に対応するとのこと。この事業に関して、保護者の関心や心配ごとは同様のことが多く、質問や意見はみんなで共有すべきものです。また、せっかくの学校ごとの説明会なら、その学校の事情に応じた説明が必要です。「○○については、○○小ではすでにこのように実施しています。」ではなく「この学校ではこうします。」とか「こうしたいと考えている。」など、説明を受ける人たちがひとつひとつ納得できてこそ意味があります。
私は現在「福祉健康委員会」に所属していますが、この事業に関する陳情は後をたちません。その理由は、区の理念と現状が必ずしも一致していないと感じるからでしょう。そこには、区が丁寧な説明責任を果たしていない事情もあるように思います。特に、地域との協働ですすめていく「すくすくスクール」のような新しい事業については、地域に対する制度への合意形成の手法を抜本的に見直し、工夫すべきです。それができて、はじめて「学校それぞれのやり方」をより良い方向で話し合っていく土壌ができるのではないでしょうか。