区の高齢者施策についての提案

  2月4日の「子育て・熟年者支援特別委員会」において、区の高齢者施策について、この1年の委員会活動を通しての総括意見を述べました。
 まず第一に、在宅介護を支える「移送サービス」の充実を求めました。これは、江戸川ネットが以前から主張している移動と介護が一体となったもので、料金や時間など、利用しやすい体制を整える、事業者の育成補助などの支援をする、低床バスを増やしたり、ミニバスを運行したり、段差をなくすなどバリアフリーのまちづくりをすすめる、といったことを要望しました。移動が困難になっていく高齢者が引きこもりにならず、地域の中で生き生きと暮らすためには外出しやすいサービスをつくることが必要であり、地域の活性化にもつながると考えます。
 2つ目は、高齢者の自立を支えるひとつとして多様な住まい方の検討です。家庭で話し相手もいないという、ひとりぐらしや日中独居の方、身体機能が低下している方などの住まいとして、グループ・ホーム的な住まい方など、自宅か施設入居かという二者択一ではない、多様な暮らし方を支援していく必要があると思います。
 3つ目は、介護保険関連について意見を述べました。介護保険制度の見直しについては、利用者の負担増と給付抑制を軸にすすめられていることが問題だと思います。特に、軽い介護度の人の増加が給付費増大につながり、安易なサービス利用が本人の機能低下を招いているということで「新予防給付」で対応しようとしていますが、給付費増大の要因は、高齢化の進展と介護度の重い人が施設入所を選択するからではないかと考えます。制度の実施主体である自治体は、自らの事業を評価してみる必要があるのではないでしょうか。たとえば、民間事業者やNPOなどの事業形態がいくつあり、それぞれがどのようなサービスを提供し、その保険給付額はどれくらいなのか、在宅と施設入所の保険費の割合はどの程度なのか。国民健康保険のレセプト点検のように、こうした評価と点検を行なって、保険者として制度の見直しにつなげることが必要です。「新予防給付」という新たなしくみは、認定によるサービスの限定があったり、保険者である自治体の管理下でのプランづくりとなることで、サービスの選択制や自己決定権が失われることが懸念されます。これについては、一方的な指導でない合同評価が必要で、「サービス担当者会議」をきちんと機能させていくべきだと主張しました。また、介護度の軽い人に対して、身体機能の改善だけにとどめるのは問題です。自立支援を基本としたサービスが本人の生活意欲を引き出し、在宅での生活を可能にしていることは間違いないところです。生活援助は、選択できるサービスとして介護保険へ位置付けることを求めました。「介護予防」の視点は重要ですが、むしろ保険外のサービス環境の整備として、地域福祉のしくみの中で検討すべきではないかと思っています。
 最後に、区が行なっている各種手当てについて、高齢者の安心・安全な暮らしを支える上で必要なもの、高齢者が生きる喜びを実感できる有意義なもの、この2つの視点を持って見直すことも必要ではないかと意見を述べました。

 介護保険をより使いやすいものにするために、みなさんのご意見をお寄せください。