目黒区で議員辞職につながった「政務調査費」をめぐって、このところ、その実態が報道されています。広く市民の知るところとなり、関心がもたれるのはとてもいいことです。
生活者ネットワークでは、これまでも慣例に縛られた議会を市民の視点で変えていこうと、議会改革についてさまざまな提案を行ってきました。そのひとつに、「政務調査費」の領収書添付義務があります。「政務調査費」は、議員の調査研究、資料作成、広報活動などのために支給されるもの。江戸川区では会派を単位として、一議員あたり月20万円、年間240万円にもなります。なのに、今もって領収書添付が義務付けられていません。23区では13区が添付なし。第二の報酬といわれるゆえんです。使途を明らかにすることは当たり前。でもその当たり前のことが行われていないのが、悲しいことに議会の実状でもあります。(23区に比べ、市部は額も少なく、適用範囲も細かく規定。*都議会は月60万円。添付義務なし!)
私たち江戸川ネットは、収支報告書提出の際に自主的に領収書の原本を添付しています。行政のチェックを行う使命を持つ議会は、まずは自らが襟を正さなければなりません。一律20万円という金額についても見直しが必要です。私たちが何度も主張してきたことが今年も見送られましたが、今回の流れを受けて、当たり前のこととして、誰もが納得できるいい方向にもっていきたいと思います。
さて、もうひとつ、やはり以前から指摘していることに「費用弁償」の廃止があります。議員には「月額報酬」と「政務調査費」のほかに、本会議や委員会に出席するたびに「費用弁償」が支給されています。1日3000円。日額旅費というものです。しかし、2年前に6000円から半額になったとはいえ、江戸川区内を移動するのには高すぎ。それに、「政務調査費」の中にも交通費は認められているのです。「費用弁償」は不必要。杉並ではすでに今年の3月、廃止に踏み切っています。(*都議会は区部1万円、市部など1万2000円)
区民の信頼を高め、分権時代にふさわしい自治をすすめる場にするために、今こそ議会自らが変わらなければなりません。議会の古い体質を、市民の視点で粘り強く変えていきます。