東京23区は2008年度からサーマルリサイクルを実施する前提として、ペットボトルやトレー以外の容器包装プラスチックのリサイクルにも取り組むこととしています。しかし、圧縮や保管をする「中間処理施設」の確保が困難であることなどを理由に、未だ11区ではその目途が立っていません。また、リサイクルに前向きな区でも、特定品目に限定するなど、リサイクルできるものはリサイクルする、というルールとはかけ離れた状況です。さらに、廃プラを再商品化する事業者側にとっては「プラスチックがまわってこない」という事業存亡に関わる悲痛な状況も。日本の資源循環のゆくえやいかに?
そこで、8月17日、東京駅から高速バスに乗り、23区の地域ネットメンバーと一緒に茨城県にあるプラスチックの再商品化事業者を訪ねました。生活クラブ生協と提携し、牛乳びんのキャップをピッキング袋に再生している会社です。廃プラをペレットにして、ごみ袋などの再商品化も。柏市の指定ごみ袋やマヨネーズメーカーが工場見学者に配る袋などはここで再生されていました。
廃プラスチックはきれいなものを素材別に分けるのがベスト。
そうでないと、せっかく資源回収してペレットにしても再商品化にはいたらず、結局、コークスの代用品として燃やされている–。プラマーク表示もまだまだ徹底しておらず、「塩ビ」は表示されないことも–。容器製造事業者及びその商品販売事業者の委託を受けて、再商品化を代行するリサイクルの執行機関、(財)日本容器包装リサイクル協会は、会員が多すぎて、よほど大規模事業者でないと落札できず、仕事に困っている事業者が多い–。かねてから問題が指摘されている中国などへの流出–。
こうした事実からは、資源循環社会のための「リサイクル」を、分別して出す、という入口を確保するだけでなく、しっかり再商品化して市民に返す、という出口の確立につなげていかなければなりません。
↓廃プラからペレットになる工程を見学