この夏休み中に中学校33校すべてにエアコンが設置され、二学期から使用できるようになりました。(南葛西二中は外壁塗装工事と重なったため、若干遅れるとのこと。また、小松川三中は立地上、以前から設置)小学校は、来年度から2ヵ年の予定で設置されることになっています。
当初、プロポーザルによる業者選定が不調に終わり、5月末の再募集では、その対象を区内のみならず区外事業者にも広げ、ジョイントベンチャー(JV)については区内一社を含むとしながらも同業種もOKとするなど、要件を緩和。区内中学校を10ブロックに分け、2ブロックまで応募可能に。結果、17JVから応募があり、10JVが決定しました。
工期が短くなったため、業者評価の際には、夏休み中に工事を完了できるかどうか、といったポイントが高くなっています。もちろん設置や維持管理費用、環境への配慮なども重要で「電気かガスか?」も大切なポイント。結果は9ブロックが電気利用、1ブロックがガス利用に。電気の場合は、受電設備が従来の倍の150キロボルトアンペアにもなる学校も。ちなみにガス利用となるのは、小岩の一中、二中、三中、四中の4校。
これまで職員室や図書室、音楽室、パソコンルームなどの特別教室にはクーラーが付けられていましたが、今回の対象は全ての普通教室。さらに各校とも普通教室以外の4室までは追加が認められ、計561教室へのエアコン導入となりました。設置総額は14億円で、半分は東京都の負担です。
温暖化に加え、都会特有のヒートアイランド現象もある中では、真夏の教室が学習に適していないことは、多くの人が認めるところ。しかし、学校環境の整備について、私たち江戸川ネットは、エアコンだけに頼るのではなく、屋上や壁面緑化、緑のカーテンなど自然の力で室温を下げる方策も併用すべきと主張してきました。21世紀は何をするにも、環境への配慮を抜きにしてはなりません。教育委員会では今後、冷房の運用指針を策定し、エアコン導入を環境教育のチャンスととらえ、適切な環境学習につなげていくとしています。
エアコンは冷暖房仕様ですが、冬場については、これまでどおりガス暖房機を使用していく、使えるものは処分せず使っていくとのこと。しかし、エアコンの省エネは格段に進んでいることから、環境負荷や経済性などをきちんと比較した上で、決めていくべきだと考えます。
また、新しい備品設置の際には、化学物質の問題、いわゆる「シックスクール」対策にも気をつけなければなりません。東京都は「化学物質子どもガイドライン」を策定しており、当然、極力負荷のかからない材料が使用されているでしょうが、過敏症の児童・生徒に配慮し、場合によってはエアコン本体や内部ダクトの化学物質を飛ばすために、実際に使うまでの期間、稼動させておくことも考えにいれておくべきです。せっかくの学習環境整備が、子どもにとって逆作用にならないように・・。
↓臨海小・緑のカーテンは、すくすくスクールの子どもたちとスタッフが始めた。右は、6月に訪問した豊島区高松小の部分的校庭芝生化。