群馬の老人ホームでまた痛ましい火災事故が起きましたが、高齢者施設の防火対策については、3年前に九州のグループホームで発生した火災事故を踏まえ、東京都が認知症高齢者グループホームの防火安全対策への補助を決め、区でも2008年度予算に7000万円が計上されていました。しかし実際活用したのは24箇所中1ヵ所のみで、今回の補正予算の繰越明許費にその残りの6700万ほどが示されています。さらに、ここへきて国も同様の動きを見せ、消防法施行令及び規則の一部改正が行われ、グループホームだけでなく、小規模特養、小規模老健を国庫補助の対象とし、今年の4月から優先的にすすめることになりました。しかし国からの通知が遅かったために、審査中の2009年度予算には反映されておらず、今後どのように防火対策をすすめていくのか質問しました。
昨年、都の補助を使ったグループホームが一箇所であったのは、設置基準がきちんと定まっていなかったため活用しづらかった、ということで、今後は国の予算を優先させ、それでも足りない場合は、都の補助金を活用することになります。対象は、グループホーム23箇所と小規模特養1箇所で、それぞれ周知はなされているとのことです。
火災発生時、自力で避難することが著しく困難な人が入所する施設に対し、安全面での環境整備を強化することの意味は大きいと考えます。対象施設が速やかに対処できるよう誘導することを望むところですが、補助の対象外とはいえ、区内にはケアハウスや有料老人ホーム、小規模多機能型施設もあります。また、高齢者が安心して暮らし続けることができる新たな住宅もつくられるなど、高齢者の住まいのあり方は多様化してきてもいます。こうした施設においても同様の整備を強化する重要性は変わらないことから、すすんで整備に取り組みたいという主体に対して、区が独自に整備補助を検討するという考えについても確認しました。回答は「研究していく」とちょっと消極的。
今回の法改正により、整備強化を求められながらも補助の対象とはなっていない施設においては、整備費用を独自に調達できる状況にない運営主体もあると思われます。区は、区内にどのような高齢者施設があるかは認識しているでしょうが、そこがどの程度の整備状況なのかを消防署との連携によってまずは把握をし、その施設ごとの課題を受け止め、相談に乗る体制をとることも要望しました。