江戸川区の2009年度一般会計の予算規模は、当初予算として初めて2000億円を超えました。不況のあおりを受け、特別区税や財政調整交付金など、区の裁量で使える一般財源が大幅に減る一方で、生活保護費など、目的に応じて使用する国や都の支出金は増額となり、歳入構造が変化しています。このことから、厳しさを増す社会状況がうかがわれ、自治体の特性を生かした施策展開が求められる時代でありながら、実際の財政状況は地方分権から遠ざかる状況にあります。こうした中、区は財政調整基金、文化施設等建設基金から計29億円を取り崩し、何とかバランスを保った格好です。
どのような状況下にあろうとも、自治体は社会保障のセーフティネットや所得再配分の機能を高め、最低限の生活の「安心」を確保していかなければなりません。家計緊急支援策である「定額給付金」支給に合わせ、区内経済の活性化をめざした独自策が実施されるところですが、緊急雇用対策や中小企業支援、親の経済力に左右されない教育支援や介護・医療体制の充実など、将来の生活安定につながる政策こそが求められると考えるものです。
審査の過程では区政の重要な課題と認識する項目を中心に厳しい意見も述べてきましたが、「共育・協働・安心」の実現をめざすという思いは同じです。私たちはこれからも自らが行動する市民として、地域力を高め、新しい公共をともにつくっていく所存であることを表明し、2009年度各会計予算案に賛成しました。