この7月、新たに「江戸川区子ども・子育て応援会議」が発足しました。大学教授が委員長となり、保育園、民生・児童委員など15名の関係機関代表に行政職、そして区民公募2名を加えた総勢20名の組織ですが、この会議が非公開で行なわれていることに疑問を感じるところです。非公開の理由は、委員の自由闊達な意見交換のためだそうですが、基本的に市民参加と情報公開はセットで行われるべきものと考えます。もちろん、個人情報に関わる審査会や選考委員会などのように、内容によって非公開の会議があることは理解するものですが、守秘義務などが課される会議には、そもそも区民公募はありません。本会議のテーマは、公共の福祉に資するものであり、大勢の区民の関心と参画が必要な分野であるからこそ、公募区民の参加があるものと認識します。公開・非公開の決定は、通常、第一回目の会議の中で決めているようですが、それは委員に委ねるものではなく、区が公開を前提として一定の方針を持つべきと考えますが、いかがでしょうか。
また、昨年8月設置された「江戸川区における気候変動に適応した治水対策検討委員会」も非公開で、こちらは議事録の公開もされていません。学識者6名に、国、都、区の職員を加えた総勢11名の、言わば専門家のみの会議です。しかし、専門家だからこそ、ご自身の研究の成果を踏まえ、自信と責任を持って発言するものではないでしょうか。スーパー堤防事業にも大きく関わるテーマであり、多くの区民が議論の内容に関心を持っています。検討された治水対策に直接影響を受けるのは住民でありながら、当事者の参画がないのは大変残念なことです。
専門家のみによる会議の持ち方についてのご見解も併せてお聞きします。
一方、介護保険や景観の計画策定委員会、都市計画審議会などは、学識者に行政職、現場で働く人々、そして区民公募委員などで構成されていますが、会議・議事録ともに公開されており、傍聴者には委員と同じ資料配布もなされています。知ることが協働への第一歩であり、こうした公開姿勢こそが基本であると考えるものです。
区の公開の考え方に統一性が見られない現状を踏まえ、市民参加と情報公開についてのお考えをお聞かせください。
*今は、行政の説明責任が問われ、透明性が問題にされる時代であり、公的機関が実施する会議が、メンバーの意向で秘密会になるなどいうことはもはや通用しないと考えるべきです。中央省庁の改革基本法では、会議や議事録の公開原則だけでなく、運営の透明性を確保することを明文化しています。委員の発言は区の施策決定に当然影響を与えるものなので、委員になった方々は公開の必要性を十分認識していると思われます。実は、行政サイドこそが立ち遅れているのです。現状は、議事録の公開ひとつにしても、情報開示請求しなければならないものがあったり、ホームページで一回ごとに公開されているものなど、不統一。区がきちんと整理することが必要です。また、検討委員会では、新しいアイディアや実現不可能なことまで、多様な意見が出るのは当然のこと。専門家の意見がまとめられても、生活の現場で実行されることになれば、やはり住民の意見が必要になります。住民の意見を聞くのは後でいいと思っていると、調整がうまくいかないこともあります。いくつかの段階での住民参画が大事です。実は、スーパー堤防整備方針も専門家と行政職だけで検討されたものです。会議が非公開というなら、せめて議事録又は発言要旨程度の公開はすべきです。