保育園、区立と民営化園の比率をどうする?

福祉健康委員会報告②

  保育園民営化に関するもう一本の陳情、協議機関を設置しないうちは、新たな民営化園を提案しないことを求める陳情は、継続となりました。やはり私たちを含む3つの会派と自公の意見が先の陳情と同様に分かれ、まだ付託されて間もないことから、審査を深める必要があると判断したものです。

  この秋、23年度の民営化園が発表されましたが、保育計画に示されていた民営化計画は22年度までのものであり、23年度については計画もないままに発表されました。民営化のすすめ方についてのガイドラインには、1年半前に園数と園名を公表することになっており、区としてはそれに沿って行ったということでしょうが、やはり当事者にとって唐突感は否めず、該当園・松本保育園での説明会はかなり紛糾しました。区は、待機児解消のための保育計画をつくるにあたり、22年度までの民営化計画もそこに入れただけであり、必須のものではないので、計画通りすすまない事態になるよりは、1年半前に確実に公表できた方がいいとの考えです。

  民営化は、自治体側が、どんなに丁寧に進めている、と胸を張っても、保護者にとってはそう受け止められないのが実際のところ。だからこそ、どういう計画のもとに、どういうペースですすめる、また、どういう基準で民営化園を選定していく、といったことを事前に周知していくことはとても重要です。そして、これを行なうのが区の大事な役割です。

  江戸川区の場合、社会福祉法人えどがわという特別な受け皿を用意したために、一般競争入札ではなく、言わば、特命随意契約が成立する状況になっていることで、区の方に、緊張感がないように感じられます。そういう姿勢が保護者の不安な気持ちを治められない事態につながっているのではないでしょうか。よかれと思って考案されたことが、逆に作用してしまっている部分もあることが懸念されます。

  区は、すべての区立園を民営化の対象としていますが、区立の役割もあるはずです。これまでの区長答弁「今後の状況を見てその都度考える」というのでは余りにも場あたり的であり、区民の理解は得られません。その役割をどう考えるのか、その上で区立園と民営化園の割合をどの程度にしていくのかという議論も含め、ここで1年くらい凍結してでも、先に述べた当事者参加の協議機関を設けて、区の考え方・進め方を一度よく整理することが必要と考えます。