本サイトでもお知らせしていた集会「八ツ場ダムはかくして止まる!」が、6日(日)、全水道会館大会議室で開かれ、150人を超える方々の参加がありました。
前衆議院議員でジャーナリストの保坂展人さんは講演の中で、中止に向けた方策として「少なくともこれから着工する橋はもうつくらないこと。河川行政に関わってきた多くのゼネコンの雇用のシフトもセットで示す必要があり、今後提示される生活再建策はリアリティのあるものにしなければならない。このまま事業をすすめる場合の便益より、ダムをつくった場合の危険の方が大きいことの周知も必要」と、決して楽観することのない、それこそリアリティのある提言をされました。
また、前原大臣のもとに置かれた「今後の治水対策のあり方に関する有識者会議」のメンバーに、ダム推進派が多いこと、会議が非公開で行なわれていることについて、「自民党時代よりも密室化した。市民とともに活動してきた学者や専門家らによる委員会を立ち上げ、最終段階で両者の公開討論をして、国民に『仕分け』してもらえばいいのでは」と話されました。
この有識者会議には、江戸川区の治水対策においても重用されている中央大学理工学部の山田正教授も入っておられます。スーパー堤防事業の推進を主張され、「江戸川区における気候変動に適応した治水対策検討委員会」の委員でもあります。やはりこちらも非公開であることを先の一般質問でも追究したところですが、昨年4回開かれた本委員会の決算が1755万円という破格であったことも大きな問題になっています。
住民訴訟の全体弁護団長である高橋利明弁護士からは、三地裁判決の不当性について、新潟大学の大熊孝名誉教授とともに行なった精密な現地調査をもとに、裁判で主張してきた重要ポイントについて改めて解説がありました。これまではダム事業を推進する旧政権下での司法判断でしたが、新政権の下で重大な政治判断の局面を迎え、残る二つの裁判については、判決が数ヶ月伸びることが明かされました。
この裁判で証人尋問に立ってきた八ツ場ダムをストップさせる市民連絡会代表・嶋津暉之さんからは、錯綜する情報の整理がなされ、中止確定までの取り組みについて具体策が示されました。裁判の過程における情報公開請求や裁判所が認めた調査嘱託、また国会質問などによって、国土交通省のずさんな計算や情報隠しの実態が露呈されました。私たちは真実に基づいて、本ダム中止を確実なものにし、現地の生活再建を求めると同時に、公共事業のあり方を問い直す市民の声を大きく広げていきます。
↓みんなが「やんば」と読めるようになった、と参議院議員の大河原まさ子さん。やはり有識者会議の問題点を指摘された。右は、河川工学の専門家で、スーパー堤防事業の問題も指摘されている新潟大学・大熊孝名誉教授。利根川の現地調査について報告された。