区では、年間800件以上に及ぶ大小さまざまな随意契約を締結しています。現在「入札及び契約適正化法」に則り、250万円以上の公共工事の随意契約については窓口にて公表していますが、業務委託についてはその義務がないため、内容が区民の目に届くことがありません。今定例会には「公共調達基本条例」案が上程され、可決されましたが、このような先進的な取り組みを行なう自治体としては、余りにもアンバランスです。
具体的には教育費で「学校給食調理業務」について、1つの事業者に最大11校、計2億8千万円の業務を委託していること、また最長8年間委託し続けている事業者があることを取り上げました。この事業者は新年度にはさらに一校委託校が増えることになっています。
区はこれまで、時間と手間をかけることのない事業の安定継続を優先してきましたが、児童・生徒の立場に立てば、大きな問題が起きるまで現状維持という状況であることが懸念され、改善が必要と考えます。委託期間についてはもっと短いスパンを、また委託校数の考え方についても再検討するよう求めました。
さらには冒頭で現状をお伝えしたとおり、情報提供のあり方についても見直しが必要です。随意契約は事務効率性と地域での雇用面などにおいて利益がある半面、何といっても透明性に劣り、癒着の温床になりやすいという欠点をはらんでいます。積極的な公開をしていくことが、区と事業者の緊張関係を保持し、契約内容の適切な履行につながると考えます。公共工事だけでなく、業務委託や物件の納入についても、ホームページを活用するなどして、法の規定に上乗せをした情報公開をすべきです。