ネットに寄せられたクレームの一部を紹介・・。
まもなく入園という2月後半になっても入園説明会、個人面談、健康診断の日時が決まらない。ようやく入園説明会が開かれた3月27日になっても教室にはテーブル、いすなどまだ何もなく、園庭にも遊具の1つもなし。玄関のセキュリティーカードをもらえるはずが出来ておらず、配布予定だった連絡帳も発注中とのこと。
4月1日(木)開園日及び慣らし保育1日目。
玄関に入ると事務室は不在。説明会では2歳児は1階と聞いたが、突然2階に。開園当日になっても教室にあるのはロッカーと絵本が5冊程度。タオルを掛けるフックもなければ汚れ物入れを掛けるフックもない。靴下入れも非常靴入れもなく、全部まとめてロッカーに入れておくようにとのこと。名札も献立表もない。
朝は合同保育とのこと。1歳児室には1歳から5歳児30人弱と保育士5人ほどが一室に。ハイハイしかできない1歳児の周りを年長児が走り回る・・。
お昼過ぎ、お迎えにいくと「お母さん、ごめんなさい!給食まだ出来てないんです。」「おなかすいたー」と子どもたち。
おじいちゃんが0歳児の孫を迎えに来るも、園側はどの赤ちゃんがその方の孫なのかわからない・・。
区の認可園に区外のフランチャイズ企業が参入するのは初めてのこと。「保育サービスという会社は保育園の運営に関しては初めてじゃない。いくつもやってきて、そういったことは十分承知をしていて、そういう準備はきっちりした上でやってくれる、というふうに私どもは思っていた」とは今日の福祉健康委員会での部長答弁。また「日本保育サービスの取締役を区役所に呼んで、部長以下、面談をした。お母様方からご訴えのあった内容と、今後、保育実施主体としてどのようにするのか、ということを個々具体的に改善策を提示すべきだと申し伝えてある。すでにいくつか改善をされていて、たとえば事務室に事務職員を置くことによって、保育士の目が実際に子どもにとどくように改善をされてきている」と課長。
これまで心配されていたのは、待機児解消が商売になるとして、保育の重要性を認識していない事業者の参入により保育の質が低下するのでは、ということ。しかし、実績のある大手企業でこのような事態になるとは・・。JPホールディングスの代表は、内閣府の「子ども子育て新システム検討会議」に有識者として入っています。基本さえできていない余りにもお粗末な自社のこの状況をまずは改善してもらわなくては・・。
以前にもこのサイトでお知らせしたとおり、昨年12月議会で可決した補正予算に、本園の開設準備資金がありました。国の安心こども基金、東京都の待機児解消事業助成を受け8500万円が計上されたものです。この予算を付けた区は、人員配置の確認や施設面も含め、開設準備が順調にすすんでいるかのチェックをこの間一度もしていませんでした。
区立と私立の認可園、どちらも保育の責任を負うのは江戸川区です。
今年この企業が開設した16園のうち、こうした状況になり、保護者から苦情があるのは本園だけ、というのが企業側の言い分ですが、もし本当にそうであるなら、いくつもの自治体と渡り合う企業側から見て、江戸川区の対応の甘さ、丸投げ体質を敏感に察知され、足元をみられたのではないでしょうか。
民間活力の導入と同時に行なわなければならないのは、区のチェックのしくみの構築です。これが果たされなければ「区立と私立、どちらも区の責任」を担保することはできません。
*委員会議事録はこちらから。(稲宮質疑P53~。間宮委員質疑P47~)