「推進計画」が泣く「エコタウンえどがわ」

第二回定例会一般質問から④

先月参加した「環境自治体会議」では、温室効果ガスの濃度が予想以上に危険な領域に入っている状況のもと、確実にCO2の排出を削減する低炭素地域づくりへの真剣な取り組みが各地で始まっていることを改めて認識しました。そこで、江戸川区が2008年に策定した「エコタウンえどがわ推進計画」について3点質問しました。

この「推進計画」では、2008年度からの5年間で、2004年度比年平均16万トン、約6%のCO2削減を第一次目標としており、今年はその中間年度。既に区長を本部長とする推進本部が設置されているが、目標達成に向けた削減量の約7割は成果を計ることが難しい「もったいない運動」に依拠しており、その達成度を今後どう評価していくのか。この計画を効果的に実施していく推進体制、チェック体制について考えを伺う。

⇒答弁は、成果確認に努力する、とはしたものの、評価よりも気運を高めていくことが大事、というこれまでの域を超えないもの。計画に取り組み事例をそれぞれ具体に示した以上、きちんと進行管理をして、削減効果をどう評価していくのかがやはり課題。「もったいない運動」については、短期目標年度が終わった頃に世論調査をするなどして、取り組んでいると回答した人の割合から削減分を出していくとことが現実的か。また、太陽光発電や省エネ改修など数値化しやすいもの、また、交通政策のように、結果としての社会統計から数値化できるものなどは、しっかり押さえることが重要。

次に、民生業務部門の対策について。
東京の62市区町村では、共同事業として各自治体の温室効果ガス排出量を推計しており、2007年度分が公表されたところだが、23区の世帯あたりのエネルギー消費原単価は1990年比で4%減少に転じている一方で、民生業務部門は5%の増加となった。江戸川独自の「エコカンパニー」の登録を見ても、区内事業所の40%を目標としているが、8800事業所のうち未だ129に過ぎない。区内の店舗や中小企業では、温暖化対策を求められても、取り組みのメリットがわからない、取り組むゆとりがない、などの理由でなかなかすすんでいないのが実状ではないか。江戸川区では大型施設の省エネ改修に取り組んだ結果、2007年度は年間6千万円の光熱費を削減している。そこで事業者向けの施策として、たとえば、事業所のエネルギー診断を行った上で具体の省エネ対策を提示し、確実なコスト削減につながるようアドバイザーを派遣する、また、温暖化対策に取り組む事業者に対して、独自の低利融資や利子補給など何らかのインセンティブを付与する、といった支援が考えられるが、いかがか。

⇒適宜適切にすすめるとのあいまいな回答でしたが、経済的支援は温暖化対策推進のために自治体が行なうべき有効な施策。今回の提案では、事業所のCO2削減とコスト削減を同時に達成でき、独自の低利融資についても、地元の信用金庫と金融商品をつくるなどして地域の活性化につなげられる。自分たちにある可能性が次のアクションに結びつくようなしかけが必要。

環境自治体会議では、東京都の報告もあり、世界で3番目、アジアで初めての排出権取引制度や、地方都市との再生可能エネルギー協定締結などの施策は、地方にもメリットをもたらし、日本社会を持続可能な低炭素型にしていくため、首都の役割を着実に果たすという自覚と責任に裏打ちされたものだった。さらに印象的だったのは「行政には責任と権限がある」という力強い言葉。区が「推進計画」を実行する上では、NPO法人「えどがわエコセンター」をはじめとする諸団体も重要な役割を担っており、連携は欠かせないが、ここに謳ったCO2削減目標の達成に向けては、責任の所在を明確にし、区が責任を持つという信念のもと、すすめていくべき。区長の決意を伺う。

⇒区の責任を明確にすべきですが、明快な答弁はなし。とりあえず、計画をつくっただけ、あとは知らないよ〜、と言わんばかり。日本一のエコタウンを目指すはずでは? 体制の建て直しが急務。