発生抑制>再使用>再生利用>熱回収>適正処分

第15回23区東京とことん討論会報告①

→もっと早く「とことん」が来てもよかった、と山崎江東区長。壇上で区立学校の校歌も披露。

 東京23区とことん討論会では、まず今年の会場となった江東区の山崎区長から、区の居住環境の歴史やごみ政策の変遷についてのお話がありました。「昔は工場の煙がもくもく、ごみの臭いもするなど環境が悪いことで有名で、江東区に住んでいるとは恥ずかしくて言えなかった。学制が敷かれた当時の区立校の校歌には『黒煙たなびく』や『サイレンの音』などの歌詞があり、今も歌われているが、新しくできた学校の校歌は『水と緑もさわやかに』となったように、区の環境は良くなっていった」と、実際に校歌を歌い、エピソードを披露されました。「焼却ではなく資源化が重要」として、区長就任以来取り組んでいる資源化について熱く語られ、会場からは拍手が沸き起こりました。

 基調講演は独立行政法人国立環境研究所循環型社会・廃棄物研究センターの森口祐一センター長。テーマは「循環型社会と3R 」について。
「気体はごみではないが、CO2もある種のごみ。ごみは見えるので減らそうとするが、CO2は見えない。いかに見えるようにするか」「循環型社会について、システム検討会が持たれていた20年前は、自然との調和が重視されていたが、10年前にできた循環型社会形成推進基本法では、経済活動の中での表記になってしまった。」「循環という言葉からは循環型社会=リサイクル社会と理解されがちだが、法の定義はそうではない。発生抑制>再使用>再生利用>熱回収>適正処分だ」「今のリサイクルのしくみは改善すべき点が多い。すぐれた技術を活かしつつ、足るを知る心を大事にし、少ないモノで豊かな社会へと移り変わっていくことが資源小国・技術立国日本の生きる道」と結ばれました。