議会改革に取り組む長崎市議会へ

議会運営委員会視察報告

→長崎市議会の本会議場で。左から6人目が私。(昨年12月14日)

江戸川区議会では、議会運営委員会のもとに、議会改革検討小委員会が置かれており、私も委員になっています。しかし、改革を謳いながらも「検討の結果、現状通り」となることがほとんどで、遅々として進んでいないのが現状です。

平成12年の「地方分権一括法」の施行により、住民の参画、住民との協働による、市民自治の動きが各地で始まりました。その中で、住民代表の議会自らが、分権時代の議会はいかにあるべきかを協議し、二元代表制の本旨を実現すべく、すでに100を超える自治体議会が「議会基本条例」を制定しています。

長崎市議会では平成20年設置の「議会制度改革推進会議」の協議に基づき、取り組みを開始。翌21年第三回定例会において「議会基本条例検討特別委員会」を設置し、22年第四回定例会にて条例制定、23年4月施行される運びとなりました。

その「基本理念」では「議決や市長の事務執行の監視など、議会の権能を最大限に発揮する」のはもちろんのこと、真の地方自治を、住民自治と団体自治の実現とし、市政運営の基礎となる市民の意見を的確に把握するため、市民に対し「開かれた議会として、情報を積極的に公開し、可能な限り市民の参画機会を保障する」としています。「議会及び議員の活動原則」には「事務執行を監視し、評価すること」「議員間討議を積極的に行い、議会全体の合意形成に向けて取り組むこと」も明記されています。

大事なことは地域が決めるとなれば、当然、自治体議会の重要性は増すことから、ここで議会の役割を再確認する作業は重要です。長崎市をはじめとする自治体議会の「議会基本条例」の制定は、会派ごとではなく、議会総体として、その権能についての共通認識を持つことから始まっています。議会がひとつのチームとして、全体で学習会、そして議員間討議を重ねるなど、執行機関に対峙する議事機関としてのまとまりが大切です。

江戸川区議会の現状を鑑みると、「議会基本条例」制定への機運が高まることはまず期待できないでしょう。しかし、せめて通常の議会運営について、冒頭の状況を変えていくために、長崎市議会の取り組みを取り入れてこそ、視察の意味もあるというものです。

長崎市議会では、定例会における一般質問の日数を4日間取り、質問時間も一人30分を保障、約半数の議員が質問に立っています。さらに、施政方針及び当初予算審査に関しては、一人会派を含めた全議員に発言の機会が与えられています。

江戸川区議会の現状は、一般質問は2日間で、4分の1の議員しか質問できません。質問時間も、私たちのような非交渉会派の議員はわずか15分です。また、予算審査にあたり、一人会派は未だ正式な委員になれません。議員の本来任務に関わるこうした基本的な部分の改善を図ることが、議会の権能を高めることとなり、ひいては二元代表制の特性を体現することにつながるはずです。

また、現在、区議会で陳情審査中の政務調査費について「飲食を伴う会合への支出は論外」とする長崎市議会の考え方は、市民の立場に立った全うな判断であると考えます。