さてそんな中、開かれている「高規格堤防(スーパー堤防)の見直しに関する検討会」はすでに3回を数えていますが、その内容には驚くばかり・・。
たとえば、東日本大震災後、4月25日(月)の第2回議事要旨を見ると・・
「土地の価格上昇を生み出すプラスの面を含んでいる」
→盛り土造成地で多発した液状化によって、資産価値が下がる状況を生んでいるのに、この期に及んでそう来るか?
「土堤原則は非常に有効であることが分かった」
→盛り土地は地震で崩落の危険性大。さらにあの津波に、土だけで対抗するのは無理・・と考えるのがフツーでは?
「連続でなければならないという概念はやめて、河川の急所だからその箇所を何としても守らなくてはならないという概念があっても良い」
→全川整備をやめたにしても、区と国がすすめようとしている北小岩地区は、河川の急所でも何でもなく、むしろ安全な箇所なんですけど・・。
「いろいろな対応を考える中で、一番安価なものとして高規格堤防が選択されると良い」
→長い歳月と莫大な費用がかかりながら、その効果が不明確として「スーパー堤防はスーパー無駄遣い」だったのに、あろうことか「安価」とは?
なぜこんなことに?
政治主導で行われた事業仕分けに対し、本検討会は、委員を国土交通省河川局長が指名する行政主導。スーパー堤防事業を継続したい行政の意向に沿う委員によって構成されているからでは? その中には「江戸川区スーパー堤防整備方針」策定委員の群馬大学・清水義彦教授も。さらに座長は「江戸川区における気候変動に適応した治水対策検討委員会」でも委員長を務めた関東学院大学・宮村忠名誉教授。清水氏は本委員会でも区の委員を。
今回の国の布陣、何が何でもスーパー堤防を実施する、特に江戸川区で、という結論ありきですすんでいるよう。
住民の権利義務に直接影響を与える本事業。行政と御用学者の意のままにさせてはならず。住民の意思を吹き込まなければなりません。