住民投票とは、子々孫々の生存をかけた闘い

宮台真司さん「都民投票のココロ」学習会報告

雪の影響もあり、参加が少ないのでは、と思いつつ駆け付けたYMCAアジア青少年センター国際ホールは超満員
雪の影響もあり、参加が少ないのでは、と思いつつ駆け付けたYMCAアジア青少年センター国際ホールは超満員
直接請求法定署名数達成により、原発都民投票条例制定を請求することが可能となった今、改めて住民投票の意味を確認すべく、社会学者で首都大学東京教授・宮台真司さんを中心に、市民集会が持たれました。

原発問題に限らず、専門家による「有識者会議」なるものは、デタラメな結論を導くだけ。研究者はお金がなくては仕事が成り立たない。そのお金はどこから来る? 
大事なことを決める場合、専門家は、その立場で、ものを評価する情報を出す。その後は市民側が、その情報をもとに討議を重ね、結論を導き出す。専門家と市民がワークシェアし、有識者なる者だけに決めさせない「コンセンサス会議」を持つべき。

◆質疑応答
Q)原発は4月にはすべて止まり、いずれ自然になくなっていく。あえて、お金をかけて住民投票する意味があるのか。
A)自分で決めたことの火の粉を自分がかぶることだ。そのための最初のエクササイズ。お金の問題ではない。

Q)国民投票の動きの中には、9条改正も含まれる。この改正に不安があるが。
A)アメリカの核に守られている以上、日本は平和主義ではない。平和主義とは非武装中立。原発の背後にある護憲平和の経緯など、国民投票になれば事実を知る。ものを見ないことから離脱すべき。怖れていては、参加と自治の資格はない。

Q)生徒から「原発問題、本当はどうなのか」と聞かれ、教員の立場上、両論を伝えているが、どのように対応すべきか。
A)ドイツでは、1点でも疑問があれば永久に質問し続ける。日本では、自分の考えなしにすすんできた。永久に質問などできない。人類社会に損害を与える人は淘汰されるべき。成功者は常に利他的。淘汰される側になりたいか? ということ。

「任せて文句を垂れる社会から、引き受けて考える社会に」
「空気に支配される社会から、知識を尊重する社会に」
「行政に従ってご褒美(補助金)をもらう社会から、良いことをするともうかる社会に」

住民投票とは、子々孫々の生存をかけた闘い。

世界が国民投票、住民投票によって原発問題を決めている中、原発事故当事国の日本でこそ、私たちは今大きな一歩を踏み出しましょう。