スーパー堤防の安全神話~区議会予算特別委員会土木費①

5日、江戸川区議会予算特別委員会土木費の審査を傍聴しました。ネットからは新村さんが予算委員として入っています。質問は、スーパー堤防と一体の区画整理事業について。

北小岩1丁目東部の土地区画整理事業では、2月末の土地区画整理審議会にて、先だって供覧に付された換地案について、出された意見書の採決が行われました。

問「どのような意見書が出されたのか」答「意見書は計7通。1通は取り下げられた。換地計画に関する意見と『それ以外の意見』に分けた。意見書の内容については答えられない」問「それはなぜか」答「3月中旬に審議会に諮問し答申を得る。それを経てから知らせる」

結局2通は採択の対象にすらならず。これまでのプロセスでも感じることですが、自治体施行の区画整理について意見を言うことはできても、共同事業である国の直轄事業「スーパー堤防」「盛り土」については公式に意見を言う場がありません。その影響を直接受けるのは当該住民であるのに、です。審議会での発言も意見書の提出でも、スーパー堤防に関する意見は、本件に付随する「その他」の意見となり、取り上げられることがないのです。だから、いつまでも不満が解消されることがなく、合意形成などすすむはずもありません。改正河川法に明記された「住民意見の反映」は、こうした個別の案件でも保障されるべきです。もっとも、区画整理事業についても何を言ったところで採用されることはないようですが。

昨年一般質問した立体模型を使っての説明について改めてただしたところ、「1/250、1/100の2種類を作製中。1/100は2mくらいあり、現地事務所に置き、4月頃にはわかりやすく説明する」との答弁。これまでは平面図での説明に終始し、盛り土のイメージがわからないままでした。高低差や全体の中の宅地の位置関係などについても。しかしあくまでも個別説明とのこと。せめて一度は全体説明会としてオープンな説明をすべきでは? 多くの人が意見を交わすことで、自分では気づかないことに気づいたり、また、安心につながったりもするでしょう。

堤防の補修についても質問。東日本大震災や笹子トンネル事故などを踏まえ、公共建築物の補修に力点が置かれ、堤防もその対象。昨年秋には国交省が、また昨年末には東京都からも河川施設の整備計画が示されました。スーパー堤防と一体となった区画整理地は、個人の私有地でありながら、高規格堤防特別区域という国の堤防です。しかし、その上にまちをつくってしまっては、どうメンテナンスするのでしょう? 回答は「スーパー堤防は洪水であろうと浸透であろうと壊れない堤防。安全な盛り土の上に建物を建てる。メンテナンスを施す必要はない。」 3.11では、現にスーパー堤防化された場所が2か所も崩れたのを目の当たりにしてなお、ギネスに載るような頑強な防潮堤が壊れたのを目の当たりにしてなお、この答弁。それを安全神話というのでは? 住民の不安がそこにあることを未だ感知できないよう。これで、200年に1度だとか、計画高水がどうだとか言われても説得力はありません。再三お伝えしている通り、局所的なスーパー堤防では、「破堤しないとの効果は発現しない」ことも会計検査院及び国交省の委託を受けている調査機関・リバーフロント整備センターの報告で明らかにもなっているのです。