計画変更申請があれば適切に対応~都議会ネット質問「北小岩一丁目東部土地区画整理事業(江戸川区施行)について」に都が回答
11月29日の第4回東京都議会開会に合わせ、前議会で生活者ネット・山内れい子都議が提出した文書質問「北小岩一丁目東部土地区画整理事業(江戸川区施行)について」の回答が出ましたので、以下、ご紹介します。
回答はいつものことながら、必要最低限の表現にとどまっています。注目すべきは【一の2】の回答。「今後行われるべき事業計画変更のプロセスとスケジュールについて」は、あくまでも江戸川区が決めることとして、施行者でない都は一切語らず。認可当時のことを言うのみで、現状について、ヒアリング時のような見解には踏み込んでいません。が、申請があるだろうことを十分意識しての表現にはなっている? また、【一の3】の行間には、案の定、「高規格堤防事業は国の事業であり、それがたとえ前提だとしても、土地区画整理事業のみに認可権者として関わる都には何ら関係ないこと」との姿勢以上でも以下でもないことが表れています。だから、「高規格堤防特別区域」になることで、「都民」である権利者に制限がかかっても関与する立場になく、区との申し合わせ事項?の「地元合意」を都合よく使い、適切だとしています。地元合意を得ていないから、裁判にまで発展しているはずですが・・。
先の第3回都議会では、生活者ネット・小松久子都議が、八ツ場ダム建設工期延長に対する同意案件が出されたことに関連し、「八ツ場ダムやスーパー堤防ではなく、ゲリラ豪雨による都市型洪水対策を優先すべき」とただしました。構想から60年経ってなお完成をみないダムなど、これ自体不要不急を示す証拠であり、25年経って1%しか整備されていない高規格堤防なるものが有用で持続可能であるはずがありません。
「都は区が行う事業に適切に対応」するだけでなく、大都市における公共事業のあり方、優先順位を自治体とともにチェックし、自治体にも住民にも最善の利益となる安心安全策を再検討すべきです。
【一の1】 本事業について、江戸川区は、国の高規格堤防事業と一体的に行う事業として、地域住民に説明をしてきたが、区が都に認可申請した事業計画は、それまでの住民説明とは異なり、国との共同事業ではなく、江戸川区の単独事業として提出された。住民への説明とは異なる事業計画の申請、そして認可という行政処分は、果たして適切だったのか、都の見解を伺う。
【回答】北小岩一丁目東部地区は、三方を盛土によって囲まれた窪地であることに加え、木造や旧耐震基準による建物が非常に多く、また、地区内道路の9割以上が幅員4m未満の狭あいな道路となっています。このため、江戸川区が、生活環境の改善や防災上の課題の解消が必要なことから、盛土を含めた土地区画整理事業について、地元合意を得て認可申請したものです。これを受け、都は、事業計画における『設計の概要』が適切であることから認可を行ったものです。
【一の2】 江戸川区長と国土交通省関東地方整備局長は、高規格堤防事業との共同事業を前提に、都が認可した事業計画とは異なる事業として進んでいる。江戸川区単独の事業計画でありながら、共同事業として実施している現状に対する認可権者としての見解、及び今後行われるべき事業計画変更のプロセスとスケジュールについて、都の見解を伺う。
【回答】都は、土地区画整理法に基づき、事業計画のうち『設計の概要』について、道路や公園などの技術的な基準に加え、環境や防災性などの観点から審査し、認可を行っています。今後、江戸川区が事業計画の変更を必要と判断し、申請した場合は、適切に対応していきます。
【一の3】 北小岩地区の認可については、国の高規格堤防事業との関連性から、通常の平地での土地区画整理事業の認可よりも重要な判断になるが、都としての見解を伺う。
【回答】北小岩一丁目東部地区については、三方を盛土によって囲まれた窪地であることなどにより、生活環境の改善や防災上の課題の解消が必要なことから、江戸川区が、盛土を含めた土地区画整理事業について、地元合意を得て認可申請を行い、都は、『設計の概要』が適切であることから認可を行ったものです。
【一の4】 江戸川区では一連のプロセスの中で、適切に住民や議会への説明がなされず、住民の権利義務に直接影響を与える重要な手続において、十分な説明を果たしていない行政の姿勢は、厳しく問われなければならない。自治体とともに、都市計画行政に責任を負う都として、住民への説明はどうあるべきか、見解を伺う。
【回答】北小岩一丁目東部地区については、江戸川区は、これまで説明会や懇談会などにより、住民への十分な情報提供を行いながら、土地区画整理法に基づく手続を適切に進めてきています。都は、区が行う土地区画整理事業について、引き続き、認可権者として適切に対応していきます。