「説得」ではなく「話し合い」を~スーパー堤防と一体の土地区画整理事業
29日、「公共事業改革市民会議」代表や世話人ら5名が、第5回目の質問状への回答をもとに、区と意見交換の場を持ちました。応対したのは、担当係長はじめ4名の職員の方々です。
区は、最後まで住民との話し合いをする、としながらも、すでに2件目の直接施行については工事契約を終えています。入札経過調書は今月中旬には区のHPにアップされており、こうした中での話し合いの姿勢について、「短刀をノドに突き付けられた中で、話し合いになるのか」「説得ではなく、話し合いが必要」などの意見が出されました。
その話し合いについて、26日、朝日新聞が報じた「説得を繰り返してきた。これ以上延ばせない」との区長の発言と、住民の認識にはかい離があることについても、改めて意見が。「区としては何度も出向いている。追い返されたこともある」に対し、「夜勤を終えて帰り、日中寝ているところに突然訪ねてこられても対応できない。アポイントをとってくれなければ話し合いにならない、ということで、今年に入ってから1か月に一度アポをとって話し合いがなされるようになっている」ことが共有されました。
こうした話し合いの内容は、今後の展開に向けて非常に重要であり、当然、区としても記録していると思われましたが、この局面でも「していない」ことが明らかに。以前から問題視されてきたことであり、元公務員だった市民会議メンバーからは、「担当者が、いつ、どなたのところへ行き、どういう話をしたかを、記録として残すのは仕事の基本」として、話し合いの持ち方そのものに再度疑問が投げかけられました。
「直接施行日ありきの話し合いなのか?」との問いに対し、区からは、「話し合いは合意を得るためのものであり、直接施行日を決めた上で臨んでいるものではない」ことも語られました。
「やらない方が禍根を残す。今やらなければ二度とスーパー堤防はできない」(同紙上の区長発言)と言うならば、平井4丁目では開発事業者の意向を汲み、スーパー堤防を断念したことについて、明快に説明してほしいところ。この発言に照らせば、平井4丁目では二度とできず、区が独自の「スーパー堤防整備方針」に掲げた全川でのスーパー堤防化は実現不可能なことが決定的です。
住民との対話に応じようとしない区長の姿勢については、「終の棲家を奪う責任において区長が誠意を尽くすべき。それができないなら『大義はない』と思われても仕方がない。政治的意味は大きい」と。
同席した住民からは、「移転補償の協議をしているが、事業に賛成しているわけではない。この事業の必要性については、いまだ十分な説明をしてもらえていない。いつでも待っている。ぜひ実現してほしい」と改めて要望がなされました。