内容未定でも進められるスーパー堤防事業~篠崎公園地区まちづくり

 今月12日及び13日、区は、北小岩より若干下流の篠崎公園地区において、道路事業・緑地事業・土地区画整理事業と、3つの都市計画事業と一体のスーパー堤防事業についての事業説明会を行うことに。当地では、都立篠崎公園の高台化も計画されており、それも含めた全体のまちづくりに関しての説明会とされています。 

 2日の区議会一般質問では、江戸川ネット(新村議員)はこの篠崎地区についても以下3点質問しました。

幟まつりで有名な、1300年の歴史を誇る浅間神社は2008年、特別緑地保全地区に指定され、スーパー堤防予定地から除外されたが、では、神社周辺の盛り土はどのようになされるのか

②浅間神社だけでなく、735年という歴史ある妙勝寺も区画整理事業の中に組み込まれ、本堂と480基のお墓が、盛り土と平地が混在する場所に、わずか数十m移転させられるなど、まちの重要な景観が損なわれることが懸念されるが、周辺環境との調和はどう図られるのか

③篠崎公園の高台化との一体化も含め、まちづくりの全体像がわかる説明はなされるのか 

 これについての答弁は、「説明することは、さまざまな事業がありますよということ。土地区画整理は、事業計画決定してこれから具体的にされていくわけで、その都度、適切に地元のみなさまにはお話していく。篠崎公園の高台化ということは、東京都が将来高台化をしていくという構想で、具体的絵柄がまだない。実際いつからとりかかるかということも決まっていない。篠崎公園の方針について話す方向で考えている。」

「まだこれから土壌調査とかボーリング調査をしながら具体的設計に入っていく準備を進めていく段階。そういったもので詳細な状況が出てくるので、全体的に上から見た構想はできあがっているが、具体的にどういう構造にしてどうしていくという細部にわたることはこれから詰めていく。」というもの。つまり具体の中身はどれも未定で、説明できる状況にないということ。 

 道路事業(補助288号線)は7月に事業認可がなされ、来年1月には、区画整理事業の事業計画案を出そうと目論む中、一体整備されるスーパー堤防事業の内容が説明できず、都による公園高台化も構想の域を出ない。そんな状況にありながら、全体の事業説明会を行ったということに基づき、区画整理事業計画案の公告縦覧という次のステップに進もうなど、甚だ時期尚早というものです。 

 当地における歴史的財産であり、重要な景観を形成する浅間神社に係る盛り土の具体の内容がきちんと示され、それが適切であるかどうかを住民が理解できなければ。 

 国土交通省は、本年8月「都市計画運用指針」を改訂。制度運用にあたっての基本的考え方の中では、「情報開示の促進」(P8)を謳い、「住民が都市の将来像が望ましいものであること、その実現のために総合的、一体的に都市計画を進める必要があること、具体の都市計画の目的、内容等が適切であることについて理解することが必要である」とし、「そのためには都市計画における情報開示を促進し、住民が都市の将来像と具体の都市計画を常に確認、理解する機会を得ることを可能とすることが必要である」としています。これは当然事業計画段階でも求められること。 

 区には、事業説明会を今回だけで終わらせるのではなく、回を重ねるべきであり、重要なことをお互いに確認、意見を交わしながらのまちづくりにしていくべき、との意見を述べました。