『高台まちづくり』の高さは?避難できる人数は?~素朴な疑問続出の「篠崎公園地区高台まちづくり事業説明会」①

8月9日(金)、10日(土)、「篠崎公園地区高台まちづくり・工事実施に向けた事業説明会」が篠崎第二小学校体育館で行われ、私が伺った9日夜は15名ほどが参加されていました。

説明内容は、事業内容と事業範囲、高規格堤防盛土範囲と盛土形状、事業スケジュール、昨年度からの工事実施状況、今年度からの工事内容などです。

国の高規格堤防事業は昨年度から始まっており、一次盛土A地区では、住宅基礎撤去、下水道撤去、さらに地盤改良工事、擁壁設置工事などが行われています。

また、都の公園事業(都立篠崎公園)についても昨年度から現在までの工事状況の説明があり、テニスコート撤去、園路舗装、照明設備や排水設備、トイレ撤去及び改築工事などが行われています。

(前回までの説明会資料はこちらから。)

国・都・区の5つの事業が複合的になされている本事業について、参加者の方からまず次の質問が投げかけられました。

「キャタピラーの音がうるさくて家が揺れるが、どの工事によってこうなっているのか住民にはわからない。いったいどこに連絡したらいいのか? 連絡先を1ヶ所教えてほしい」

当日の資料にも、5つの事業の問い合わせ先が明記されていましたが、地域住民にとってはどの工事による支障なのかは確かにわからないこと。即答はなく、少し時間を置いてから、国から「揺れがあるということであれば、国(=高規格堤防事業)に連絡してほしい」との回答がありました。

説明会に初めて参加したという方からは「スーパー堤防は水害防止の事業であることから、『高台まちづくり』とは避難場所をつくる、という理解でいいか」との問いが。

区の担当から「大規模水害時に命の危険を守る一時的な避難場所」との回答があり、これに関して「6.4ヘクタールにどれだけの人が一時避難できるのか?」との再質問がありました。

区から「大規模災害時、江戸川区はまず親戚宅やホテル、広域避難場所など、広域避難をアナウンスしている。篠崎での『高台まちづくり』とは、逃げ遅れた人のための緊急的な高台であり、何人が逃げるか、といった想定はしていない。あくまでも緊急避難場所ととらえてほしい」との再回答がありました。

その『高台まちづくり』について、「高いところでは海抜何メートルか」との質問があり、これもしばらくの沈黙のあと、国が「正確にはお示しできない」と前置きしたうえで「5m前後の盛土を行う。現地盤の海抜が1.3mであり、AP6mの高さにしていく」と回答。

質問された方からは「広さに加えて高さの目安も示していただきたい」との要望がありました。

また「新しい公園駐車場がわからない人が多く、違法駐車が多い。トイレの場所もわからず、トイレを貸してくれという人もいる。実際、通行止めばかりで、行きたいところにたどり着かないからだ」との意見も。別の方からも「特に土手から入ってきた人は道がわからなくなっている。道が一本しかないからこんなことになっている。」と。

発言された方からは「都は、駐車場やトイレについて、うまく案内してほしい」との要望が出され、「わかりやすくしていく」とのあいまいな都の回答に対し、「うまくたどり着く看板をつくればいいのではないか」「トイレは仮設トイレもつくればいいのではないか」と、そこに暮らす住民目線の具体の要望が相次いで出されました。

さらには「事業を進める話し合いに住民を入れていない。説明会に来ていない人はもっとわからない。税金払っているのに住みたいところをどかされる。ボックスカルバートの道路は(堤防内に)コンクリートを入れることになり、土堤原則ではなくなっている。住民を入れて、まとめていくのが行政じゃないか。これで防災拠点になるのか? 住民を見放している。納得のいく説明をするようよく考えて。」との意見も出されました。

会場に展示された「高台まちづくり」模型。当日配付資料にも模型にも区のHPにも高台の高さは示されていない。