高規格堤防への疑問相次ぐ墓地移転説明会~篠崎公園地区

篠崎公園地区で行われている高規格(スーパー)堤防事業では、共同事業のひとつである江戸川区の上篠崎1丁目北部土地区画整理事業の中で、お寺と墓地の移転がなされます。

「篠崎公園地区高台まちづくり事業」と称する本事業では、4区に分けて高規格堤防の盛り土がなされ、お寺とお墓は現在盛り土工事が行われている「1次盛土」上に移転されます。その移転先は現在の所在地から目と鼻の先。

現地のモニターで見られる上空写真。今のお寺とお墓は右側に。

盛り土工事が進むお寺の移転先。左奥に今のお寺の本堂が。

現在地と盛り土の間には擁壁が設置されはじめました。

左側に白い擁壁が見える。

 

 

 

 

 

 

 

先行して墓地の移転がなされることになり、20日と23日、檀信徒のみなさんに対し、墓地移転計画、今後のスケジュールなど、江戸川区による説明会が開かれました。区によると、参加者は20日は100名、23日は300名。

墓石の移転工事については、委託業者から「500基のお墓は200m(今より)ずれたところに今の墓地の配置と大差なく移転される。面積も方向も同じ。段にはならずまったいら」と説明がありました。移設時期は令和9年度から1年半。お骨を保管する場所は未定。

委任状を区に提出することで、移転に必要な改装許可申請の一元化や工事の一括実施が可能となり、檀家さんに負担なく墓地移転が可能になるとも。

この委任状提出に必要な印鑑登録証明書については「その費用は自己負担なのか?」と問われ、「検討する」と応じる場面もありました。

質疑応答では、今もそもそも高規格堤防と一体のまちづくりに納得していないと思われる質問が相次ぎました。(20日実施分)

  • 同地区の浅間神社は盛り土しないのか?その理由は?

しない。本殿は一段高くなっていて、そこにぶつける盛り土をすることになっている。(意味不明?)

  • 高台ナントカまちづくり事業とのことだが、何のリスクがあってそうするのか? 妻が入っている墓地を移転することで何がいいのか?

水害リスク回避。公園は防災拠点。高台は緊急避難場所になる。あわせて道路など5つの事業をする。道路整備は都市基盤整備。防災面を強くする。

  • 何か数字的なリスクがあるのか? ここだけ高台にしてどんな効果があるのか?

水害ハザードマップを配っている。原地盤から2mの浸水を予想。最下流なので上流からの水も来る。低平地でたまった水は外に出ない。2週間たまったままになるところもある。点では意味がないとよくみなさんから質問されるが、点で順番にやっていく。一部でも高い場所があれば一時的にでも避難できるという効果がある。

2mについては、あとで3.5m~4mと修正あり。

  • スーパー堤防の区内の距離はどれくらいか? 今回で何%になるのか? 残ったところは何年かかるのか?

江戸川(沿川)では22km。今回420mなので約2%。国で計画を立ててやる事業ではない。何か(自治体などの)事業があった場合に調整して進めていく。何年かかるか決まっていない。

これには「残りの98%に自宅があるが、(決まっていなくて)安心した」と住民の方から思わず本音が。すぐさま「残念というか・・・」と施行者へのフォローも。

  • 移転先となる堤防は現状よりどれだけ高くなるのか?

盛り土して今より1m高くなる。

お墓の移転先は、スーパー堤防のいちばん低い法尻になるため、わずか1m高くなるだけ。前段の質疑にあるとおり、大規模水害時の浸水深は3.5m~4mですから、大規模でなくても水没の可能性があるとも考えられます。

*「道路整備は都市基盤整備。防災面を強くする」との答えについては、こちらもどうぞ