新たな高台化でコミュニティは? 災害要配慮者対応は?~篠崎地区まちづくり意見交換会①

10月24日(金)、25日(土)、東京都と江戸川区の主催で「篠崎地区まちづくり意見交換会」が篠崎第二小学校で開催されました。

国の高規格堤防事業と一体となった「高台まちづくり」事業が進められている江戸川沿川の当地においては、篠崎と対岸の市川市まで都県橋を通す計画もあります。こちらから。

都県橋自体は東京都と千葉県の事業ですが、区は都市計画道路補助286号線が橋とつながるための延伸整備をすることとしており、まちの課題や今後のまちづくりについて考えるため、当該住民のみなさんから意見、要望を聞く目的で開かれたものです。

国と都は、能登半島での大地震や大雨被害を踏まえ、新たに複合災害の観点を取り入れた「高台まちづくり」推進のため、「災害に強い首都『東京』形成ビジョン」も強化改定することとしています。こちらから。

冒頭、都からは「100年先も安全なまちに向け、災害リスクに備えた対策強化を行う上で篠崎は重要な地区である」。また、区からは「区のまちづくりについて知ってもらう機会とし、地域の現状について忌憚のない意見を出していただき、一緒にまちの将来を考えていきたい」などの挨拶がありました。

都と区の説明のあと行われた意見交換のテーマは、①地域で感じる不安な点等 ②安心して暮らせるまちづくり ③将来に引き継ぎたいまちの姿

24日(金)の主な意見を私のメモからご紹介します。

〇40年以上住んでいるが、水が出たこともなく、火事が出たこともなく、騒音もなく、近所とのトラブルもない。いいコミュニティがつくられていて、それがいちばん大事。

〇家を建て替えられない制限がかかっている。それはいつからか? 事業を進めるプロセスに納得できないところがある。

回答:区画整理の都市計画決定は昭和44年。都市計画法53条に建て替えについて定めがあるが、建て替えられないわけでなく、階数や構造について制限があるということ。

〇286号線の整備によって引っ越す方々がいるが、中途半端に土地が残っているところがある。良からぬ人などが小屋を建てるなどして住民が迷惑をこうむることも考えられる。洪水はあきらめるしかないところがあるが、こっちの問題のほうが住民には迷惑だ。残地はどうするのか?

回答:区は計画線までしか買っていない。残地は元の所有者のままになり、それだけでは活用できないため、所有者の同意を得て区が隣人との間に立って相談・交渉することになる。管理問題については区が毎日見ているわけではないので、何かあれば連絡してほしい。

〇高台化について、避難する場合の収容人数、また設備はどれほどのものなのか? 区民が約70万いる中で、これっぽっちの高台をつくってもどうなのか? 体が不自由で認知症の家族がいるが、どういう人が使えるのか不安に思う。

回答:上流側の高台はある程度まとまったスペースになる。都県橋も合わせ、広域的に見ても命の動線になる。要配慮者に関してなど、運用はこれからの議論になる。お気持ち、懸念を計画に反映する。子どもにもいいまちを残せるようにしていく。