スーパー堤防事業に物申す!住民主催で区との対話集会

初めての直接対話傍聴記①

→進行者の左側が区代表。左から3番目が土木部長。いちばん右が私。住民の会のメンバーが撮影。

 9月4日(土)、「スーパー堤防と一体となったまちづくり」について、区当局と住民とのオープンな対話集会が、住民主催で初めて開かれました。区からの出席は、土木部・部長、担当課長、係長、職員、計4名。これまでも区による「まちづくり懇談会」は開かれていますが、対象が地権者に限られ、近隣住民や議員の傍聴も許されない厳戒態勢で行われているため、住民が区に要望を出してから半年、何度も調整した末実現したものです。

 現在、事業認可のためのプロセスが進行している北小岩一丁目東部地区をはじめとする北小岩、また、緑地事業については認可が下りているものの、区画整理や都市計画道路については未認可である篠崎地区から、総勢30名ほどが集まりました。区議会からは私たち江戸川ネットをはじめ6名、また区選出の都議会議員も1名参加しました。北小岩一丁目東部地区の事業は、11月に東京都の都市計画審議会に諮られることになっています。
 区は住民合意の到達度を未だ明らかにしていませんが、私たちの調査では、70軒中26軒が現在も明確に反対、この方々の土地所有面積は50%近くもあるというのが現状です。

・賛成があるから実施する、というのであれば、反対があるからやめる、という選択もあるはず。
・都市計画決定や事業認可の前から先行買収するのは住民感情を逆なでしたり、いたずらに不安をあおる。やめるべき。
・まちが二分されてしまい、以前のようにお隣の方と食べ物のおすそ分けなどができないような状況で、コミュニティが壊れてしまった。
・個別補償に応じるようにというなら、まずどのようなメニューがあるのか示すべき。
・事業計画案は、区画整理事業だけが示されており、スーパー堤防事業は隠されてしまっている。何らかの形で、スーパー堤防についても示した事業計画案にするべき。
・スーパー堤防によって傾斜のあるまちになることが安全なのか。高齢者も多い。平坦なまちに住み続けたい。
・認可も下りていないうちから「最終的に強制収用(直接施行)もある」という説明は納得がいかない。
・当初説明されていた液状化や、救急車・消防車の通行支障についても問題ないことが判明した。
・20年以上前に考案された工法にこだわるべきでない。今では、時間や経費をさほどかけなくても堤防を強化する別の方法がある。
・わずか1.4haの地区をスーパー堤防にすることで、洪水発生時、国府台に逃げる想定の方々(区民20万人)の避難場所になるというが、私有地であり、そのようなことをしてはかえって混乱を招くのではないか。
・温暖化を言うなら、内水氾濫対策こそ優先すべき。
・区の説得に応じ、泣く泣くまちをあとにした高齢者がいるが、新しい土地になじめず、健康も害し、転居を後悔している。

などなど、住民の方々からはさまざまな角度からの質問・意見が相次ぎました。
 午後6時に始まった対話集会は9時過ぎまで続きましたが、その中で土木部長から「強制収用はしない」との明確な回答を得たことは大きな成果です。