自然エネルギーへのシフトは、私たちが江戸川ネットを設立した21年前から主張してきたことですが、このたびの東京電力福島第一原子力発電所の事故は、改めて、この大きな課題を世に問うきっかけになったと言えます。
現実的、かつ安定的な電力供給をいかに確保するか、従来のエネルギー需給政策を根本から見直すと同時に、化石燃料への依存からも脱却し、環境負荷を与えないエネルギー政策への転換をここでしっかり議論すべきです。
こうした発議案は、江戸川区議会の場合、議会運営委員会理事会という、3人以上の会派の代表者で構成する非公開の会議にかかるだけ。議会に諮る以前の段階で、しかも十分な議論もなされないまま、内容よりもむしろ党利党略によって決着が付けられ、この秘密会を通ったものだけが、議会最終日、本会議場で読み上げられるという悪しき状況が今も続いています。他の議会では、首長提案と同様に常任委員会に付託され、発議した議員が説明員となり、公開の場できちんと審査されています。議員からどういう発議がなされ、どういう理由で可決、あるいは否決されたのか、住民代表である議員の考え方を知ることができます。当然のことですが。
私たちが求めたポイントは、4つ。
・高経年化した原発の運転延長を認めないと同時に、新たな原発建設は見合わせる
・発送電の分離など、電力事業の自由化を進める
・原発中心のエネルギー基本計画を見直し、自然エネルギーを基軸としたエネルギー社会への移行
・政策決定に必要なすべての情報の公開体制を確立する
しかし、この発議案は、自民・公明・共産の反対により通りませんでした。
6月の第二回定例会で、江戸川ネットが発議したのは、文部科学省が定めた福島県内の学校校舎・校庭等の放射線量「年間20m㏜」の見直しを求めるもの。これも、自民・公明の反対で通りませんでしたが、ご存じのとおり、同省は9月から「原則年間1m㏜」とすることとしました。おそらく、多くの議会から同様の意見書が上がったものと思います。
今議会では、「江戸川区の歩行喫煙及びポイ捨ての防止等に関する条例」が江戸川区議会史上初めての議員提案で成立。このこと自体は大きな成果ですが、残念なことに、審査のプロセスが見えません。区長提案議案は総務委員会にすべて諮られ審査がなされ、公開されていますが、今回はそれがないのです。江戸川ネットからは、賛成の立場で、用語の定義や事業者責務などについての修正を求めましたが、非公式な場でのやりとりに終始し、結局正式な議論の場は設けられませんでした。
議員発議案の扱いについては、十分な審査と公開について、早急に改善が必要です。