区では、以前は業務委託によって、その後派遣労働者の受け入れによってこの業務を果たしてきましたが、この10月から急きょ臨時職員での対応に変更しました。ひとつの業務についてなぜこのように形態を変えなければならなかったのか、その経緯と、今回、臨時職員で対応することとした理由をただしました。
課長答弁:事務の効率化という点において、業務委託をまず始めたが、東京都労働局と精査した結果、専門26業務として派遣労働がふさわしいということになった。しかし、今年、日本年金機構における同様の業務が専門26業務に該当しないと判断され、業務委託に変更したことを知った。厚生労働大臣名でこの厳格的適用が通知されたこともあり、区では9月の更新の時期を待って、臨時職員に切り替えた。
派遣法では、専門業務でも派遣の受け入れ期間は3年、単純作業になると1年。そもそも法には、3年間同じ業務に従事した派遣労働者については、その後も業務が続く場合、事業者から直接雇用の申し入れをしなければならない、という規程があります。「その対象に今回、端末入力従事者が該当したということではないのか」との問いには「そうではない」。
「端末入力が専門26業務からはずされたため」であり、それまで派遣で働いていた21人の方々を、区の臨時職員として採用したわけですが「処遇について配慮をしたか」との問いには「戸籍や住基の知識、端末のノウハウなど一定の専門性もある。勤務条件を低下させないよう、元の会社からも情報収集し、その部分は確保した。」との回答がありました。「みなさん、扶養の中での働き方を望んだ」とも。
そこで、今度は地方公務員法の観点から質問。この業務は、臨時的、一時的に行うものではなく、恒常的業務であり、臨時職員をあてるのは不適切であるという考えも成り立ちます。現に、今回、半年間採用したとしても、住民票作成の繁忙期である春に更新時期を迎えることになり、熟練した方たちに継続してもらった方がいいことから、更新される公算が大きいはず。答弁では、専門性にも言及があったので「非常勤職員として採用する余地もあるのではないか」と聞いたところ、「そこまでの専門性はない。アウトソースのあり方を改めて整理していく必要がある」と。区には現在非常勤職員が184業種と、さまざまにあることから、「非常勤職員についても検討すべき」と意見を述べました。
今、男性も非正規雇用が増え、夫婦で働いてようやく生活できるといったケース、ひとり親で子育てをするケースも増加の一途です。そして臨時職員が更新を繰り返して継続して働く実態も。こうした社会状況を見極め、臨時職員であっても、キャリアに応じた処遇をする、手当を工夫するなど、区として十分な配慮をしていくことが重要であると意見を述べました。