⇒選定基準について他区の状況を見ると、駅に近いなど通園が便利、延長保育の希望者が多い、小規模園でない、など民間の安定的な運営への配慮が挙げられていたり、改築改修工事に伴って移行するなど、区民にわかりやすい具体のことが示されています。
⇒また、次世代育成支援行動計画の前期計画には21年度までの民営化計画が盛り込まれていたが、22年度からの後期計画にはその後の計画が入りませんでした。次世代育成支援行動計画に義務付けられたものではない、とは以前の説明ですが、しかしその結果、民営化をすすめているのに、区の長期計画に呼応する「実施計画」(P24参照)にそれが反映されていない状況にあります。保育園民営化について、実施計画には21年度に「次世代育成支援行動計画後期策定」と表記されており、その中で明示するとされているのです。区も民営化計画をきちんとつくって公表する必要性は認識していたようです。
しかし現状は、区と事業者の協議によって、場当たり的に民営化園を決定し、確実になった時点で公表していることから、その都度該当園では混乱が生じています。区内の私立保育園・幼稚園の経営母体が構成する社会福祉法人「えどがわ」に民営化の受け皿を限定していることで、区の緊張感が欠落してしまっているのではないでしょうか。保育の民営化は重要な地域テーマであり、区民の大きな関心事でもあります。よりよい保育は区と事業者の努力だけでできるものではなく、保護者の理解と共感がなければ実現しません。さまざまな計画策定は行政の重要な役割であり、民営化についてもその責任を果たさなければなりません。
待機児が50人以上いる自治体は別途「保育計画」をつくることになっていますが、江戸川区の場合、非常に大雑把な作り方で、待機児童の多い地域がどこかの明示もなければ、地域ごとの乳幼児人口の推移や、保育園申請件数、待機児数などの経年データも示されていません。行政だけがわかっていればいいと思っているのでしょうか。このような現状で、区民も納得する効果的な保育計画がつくれるはずもありません。
今回、他会派の議員も保育に関する質問をしましたが、一連の答弁では「どこまで待機児解消をしなければならないのか」「3歳までは両親のもとで育てる」など、区民の今の生活実態を感知していない発言がいくつも飛び出し、今後の保育サービスの展開を不安視させるものでした。
区は、今回指摘した点を踏まえて、区民と一緒になって保育のグランドデザインを描き、保育の質と量をどういう考えのもとに担保していくのかを示す必要があります。安心の保育サービスの構築に一刻も早く取り組むべきです。