スーパー堤防新規事業が「再評価」とは、これいかに?
国土交通省関東地方整備局が今月9日、利根川・江戸川直轄河川改修事業「江戸川高規格堤防整備事業(北小岩1丁目地区)」について公共事業評価を行い、HPで公開しています。
評価の対象は、災害復旧事業などを除く国土交通省が所管する全ての公共事業で、「新規事業」を予算化する場合は国土交通省が評価を行い、「再評価」と「事後評価」については地方整備局が行うこととしています。
先述の事業は、「再評価」に分類されているので地方整備局扱いですが、なぜまだ着工していない本事業が「再評価」になるのでしょうか?
「再評価」の基準は3つあり、①事業化後、3年経過しても未着工、もしくは5年経過した時点で継続中の事業 ② ①の後、3年経過して継続中の事業 ③以後、事業完了まで3年毎に再評価実施 とされています。
江戸川のいずれかの高規格堤防は従前評価していることがあるとしても、わざわざ「北小岩1丁目地区」と特化し、当該地区の事業内容やまちづくりの課題、区の状況など詳細に取り上げいることに照らせば、当然これは「新規事業」に分類されるべきものでしょう。
評価は関東地方整備局内に設置された「事業評価監視委員会」が実施していますが、メンバーを見れば、スーパー堤防の是非を語る組織にはもれなくいらっしゃる清水義彦氏(群馬大学教授)のお名前がここにも。外部の方で構成されているとは言え、行政にありがちな構図であることは明らかで、「新規」であろうと、「再」であろうと、結局「継続」が導かれることにはなるのでしょう。
最後に「今後の対応方針」として「事業継続」とした理由は、国交省の「高規格堤防の見直しに関する検討会」のとりまとめ、そのまんま。
専門家は研究に基づく情報提供のみに関与し、それらを比較検討して、決定は市民が中心になって行う「コンセンサス会議」が、こうした状況にも求められます。
「再評価」の5ページにある利根川・江戸川の「過去の主な災害」では、それぞれの洪水について主な被害市町村が記されていますが、江戸川区はいずれにも入っていません。