「両性の合意のみにもとづく婚姻」は改正すべきか?~「不思議なクニの憲法」上映
4日(日)、タワーホール船堀で実施した江戸川ネット・ミニフォーラム「それゆけ!タイム」では、ドキュメンタリー映画「不思議なクニの憲法2018」を上映しました。
安倍政権がすすめようとする憲法改正は、国民の自由と人権を脅かすものです。世界に誇る崇高な憲法を、一部の政治家から主権者の手に取り戻そうと、2度の更新を経て制作された2018最新版の第1回上映が、江戸川ネットによる上映となりました。松井久子監督もお越しくださり、映画にまつわる興味深い数々のエピソードも披露されました。
その中で印象的だったのは、憲法に対する若者の関心度が、洋の東西で大きく異なること。これは、教育のあり方に問題がありそうです。
「不思議なクニの憲法」はこれまで、日本の5つの大学で上映されていますが、それは授業ではなく公開講座とされ、当の大学生は極めて少数で、中高年の方々の参加が圧倒的に多いとのこと。
一方、ドイツの4つの大学で上映した際は、会場は大学生で埋まり、しかも活発な意見が次から次へと出されるとのことでした。
憲法改正に影響を受けるのはこうした若者、子どもたちであり、自分たちの将来の姿をともに考え、意見を述べるのは当然のことです。
関東に住む主婦の女性が、憲法改正の動きに危機感を抱くようになり、街頭でアピールしたり沖縄に足を運ぶ活動の様子、また、若い親を対象に「憲法カフェ」を重ねる女性弁護士の姿など、女性の活動が多く描かれていることから「なぜ日本の男性は関わらないのか」という質問もあったといいます。
映画の中で、出演者から改正点として挙げられていることに、24条の「両性の合意のみに基づく婚姻」があり、当日の意見交換でも話題に上りました。「同性婚は合憲か」は、東京・生活者ネットワークの憲法学習会「自民党憲法草案と現憲法を学ぶ!」でも議論となった点です。その際、講師の神奈川大学教授・金子匡良さんは次のように解説されました。
24条では「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立」とされている。では、法律で同性婚を定めたら、それは憲法違反になるか。
この場合「両性」をどう解釈するかである。戦前の婚姻は、両性の合意だけでは成り立たなかった。これを踏まえ、「両性」とした立法趣旨を解釈すれば、それは男女両性というよりも、当事者と解釈することができる。よって、13条に謳う「個人として尊重される」と合わせ読むことで十分合憲であり、あとは法律をつくれば足りる。今後は、婚姻制度にこだわるよりも、「パートナーシップ」という考え方、制度をとることも議論すべきことである。