「スーパー堤防」か「新工法」か~北小岩コミュニティ会館サークル発表会
「第18回北小岩コミュニティ会館サークル発表会」にて、今年も地元で活動する「スーパー堤防・街づくりを考える会」が学習発表の展示を行いました。
つながらず、点の整備に過ぎない現実、基本の形状が確保されず、着手したとはいっても未完成に終わっている現実、篠崎公園地区で現在進行中の事業紹介に加え、今回は進化する堤防技術の中で、オランダが採用した日本の堤防強化策「インプラント工法」についても展示しました。高知県にある株式会社技研製作所が開発したものです。

人口の7割が海面より低いところに居住するオランダでは、国家的治水対策事業「デルタプログラム」において、この工法を採用しました。
「デルタプログラム」とは、気候変動に伴う洪水等の課題に対し、2050年までにオランダ全土で、1400kmの堤防と400の水門・ポンプ場を強化するという国家プロジェクト。
2025年9月から「ホランセ・アイセル川」沿川の住民20万人の命と生活を水害から守るため、工期5年、総延長10kmに及ぶ河川堤防の補強工事が始まりました。
「インプラント工法」は、現存の土の堤防の中に、鋼管杭とZ型鋼矢板による「連続した複合壁」を圧入機で土堤の中に構築する手法。これが河川堤防として採用されるのは今回が初めてとのことです。
斉藤猛江戸川区長が展示会場を回られた際には、同会の秋山堯さんがオランダの本事業を説明されました。

「日本でやっているのですか?」との質問が区長からあり、秋山さんは、
「やっていません。日本には土堤原則があり、スーパー堤防は土でつくるということになっています。自治体や事業者はさからうことはできません。しかし、そのために被害を受ける区民がいます」と、篠崎公園地区でポツンと一軒家になっている住民宅の写真を前に話しました。
すると、区長から「なぜ土でなければいけないのですか?」との再質問が。
「なぜなのかわかりません」と答えると、区長は「国に聞いてみます」と話され、会場を後にされました。
その際には、同社が発行されている「国土崩壊~『土堤原則』の大罪・科学に基づく思考革命で建設イノベーションを」(北村精男さん著)の冊子を手渡すことができました。お読みになりたい方は、同社HPから申し込むことができます(無料)。こちらから。
豪雨予想がされると公共電波を使って「早い避難を」と呼びかけられるが、税金を使って「防災構造物」である堤防を造っておきながら逃げろとは何事か。「おうちでゆっくりお休みください。そのために大金を注ぎ込んでしっかりとした堤防をつくっています」というのが行政の本来のあり方ではないか、と北村さんは説きます。
「やったことのないことはやらない。使ったことのないものは使わない。前例がないから受け付けない」。このような前例主義をいつまでも踏襲している我が国は、防災後進国の最たるものだ、とも。
昔ながらの「土堤原則」に基づく、38年前に考案された「スーパー堤防」か、「土堤原則」から脱却し、新素材を取り入れた新工法か。
まずは国が市民も交えて比較検討すべきだと思います。

若い方々も含め、多くの住民のみなさんと会話することができました。
篠崎公園地区の様変わりに、
「こんな事業をやっていたとはまったく知らなかった」
「何でスーパー堤防に反対する人がいるのかと思っていたけど、こういう事業だったんですね」
との驚きの声が今年も多く聞かれました。
