「土堤原則」を脱し、新しい堤防技術の採用を~「アースデイ東京2026」参加②
気候変動により各地で水害が頻発する今日、治水のあり方も従前のままでいいはずはありません。しかし、国は依然、自治体等のまちづくり事業と合体させて、土だけでつくる「スーパー(高規格)堤防事業」を推進しています。
東京都も「災害に強い首都『東京』形成ビジョン」の中で、ゼロメートル地帯全域で「高台まちづくり」を進めるとして、国とともに本事業の強力な推進を打ち出しました。概要版はこちら。
一方、国民の7割がゼロメートル地帯に住むオランダでは、大規模治水対策を喫緊の課題とする中、日本の企業が開発した「インプラントロック堤防」を採用したといいます。
この工法は、剛性の高い鋼管杭と止水性に優れたZ形鋼矢板を組み合わせて、連続して地中の固い地盤層まで打ち込み、地球と一体化した強固な壁を構築することで、機能的かつ経済的に洪水リスクを軽減するというもの。
「スーパー(高規格)堤防」について、過去には元荒川下流河川事務所長から「非技術的河川事業」との率直な発言もあったところです。こちらから。
その昔、堤防が切れたときには近隣住民の力で補修するのが常で、材料は土しかありませんでした。
その後、河川改修は国や都県の管理になりましたが、実は今なお「河川管理施設等構造令」の19条では「土堤原則」を謳っています。
しかし、土が水に弱いこと、揺れに弱いことは自明です。19条には但し書きもありますが、それは「高規格堤防以外」とされています。なぜでしょうか? それは堤防と称してはいても、実はこの事業の主眼は治水ではなく、再開発事業だからなのではないでしょうか?
「土堤原則」への疑問についてはこちらもどうぞ。
かつては国交省でも「フロンティア堤防」「アーマーレビー(鎧型堤防)」といった技術開発がなされ、実用化手前までいっていましたが、「スーパー堤防」という大型公共事業を進めたかったからか、国交省の優秀な技術者が開発したこれら事業はお蔵入りになった経緯があります。こちらから。
このままの治水行政を繰り返していては、水害も繰り返されるばかりです。
気候も人口もフェーズが変わった今日、首都圏・大阪圏においても、まちづくり事業と一体で行うのではなく、堤防は堤防として、その役割をしっかりと果たせる整備強化を進めるべきです。
効果の実証された新たな技術を取り入れる検討を進め、速やかに強い堤防をつなげていくことこそが水害を防ぎ、国民を守ることにつながると思います。
水問題研究家・故嶋津暉之さんの最後の論考「スーパー堤防事業の虚構」もぜひお読みください。

若い方々も熱心に耳を傾けてくれました

鬼怒川では最も低い堤防箇所が切れて大水害に。「低い堤防を高く、効果的な工法で強く」が整備の基本

「ワタシのミライひろば」のミニステージでも演奏しつつ、「ダム」や「スーパー堤防」問題をアピールする渡邉拓美さん

「川辺川ダム」や「石木ダム」は要りません
