「容器包装リサイクル法」の改正に向けた中間まとめが、6月から7月にかけて各省から出されています。6月のHPでもお伝えしましたが、経産省の「産業構造審議会」では、5大論点のひとつ「リユース普及」に関して、「大型施設や公共施設などで、優先的にリターナブル容器の導入を検討すべき」とされました。公共施設には自治体庁舎のほか学校給食が明記されています。
しかし、環境省の「中央環境審議会」の出したまとめには、公共施設は国や地方自治体の庁舎とあるだけで、学校が含まれていません。資源循環型社会のための『3つのR』を学習する学校現場でこそ、その生きた教材として、最優先でリユースびんを使っていくべきではないでしょうか。「環境の保全のための意欲の増進及び環境教育の推進に関する法律」ができ、利潤追求の産業界が環境に配慮した提案をした一方で、肝心の環境省の認識は甘いのでは、と思います。
甘いといえば、最大の論点である「役割分担の見直し」があります。どちらの審議会も「自治体は引き続き、分別収集・選別保管を継続すべき」とした上で、経産省は「事業者も一定の役割を果たすべき」、環境省は「費用の一部を事業者が負担すべき」にとどまり、極めて不十分と言わざるをえません。環境負荷や循環の社会的コストを減らすためには、事業者が収集の役割も担うことが不可欠です。リサイクル費用を製品価格に内部化し、広域的な収集と、再商品化までを一貫事業として展開していくことが必要です。
ところで、江戸川区ではこの8月から「ペットボトル回収モデル事業」を始めています。依然としてペットボトルを不燃ごみに出してしまうケースが多いことから、ごみの減量とペットのリサイクルの推進を図るために、集合住宅111ヵ所と小岩地区296ヶ所の集積所で行うものです。でも、収集サービスが便利になると、もっと巷にペットボトルがあふれて、リデュースやリユースがさらに遠のく結果となるかも・・・。