本当に必要ですか?自治体の「国民保護計画」

第一回定例会より

 

→子どもたちに平和な社会を手渡したい。(2月に視察した「葛西おひさま保育園」で、楽しく英語のレッスンを受ける園児たち。) 

 「国民保護法」の正式な名前を知っていますか?「武力攻撃事態等における国民の保護のための措置に関する法律」といいます。わたしたちネットがこれに基づいて制定される2つの条例に反対したことは、江戸川ネットのトップサイトでお知らせしたとおりです。
 
 このことが審議された総務委員会を傍聴しましたが、防災担当部長の答弁は「対策本部メンバーなどは従来の災害対策メンバーと重複する」としながらも「防災計画は自治事務だが、保護計画は法定受託事務なのでつくらなければならない。ひな型にのっとって、7月に計画原案を作成、18年度中に都と協議の上計画を策定する。国民保護協議会は定期的に開いていく」というものでした。
 一方「どのようなことを想定しての計画や訓練なのか?」との質問に対し、区長は「想定はまったくできない」と答えました。そうだろうと思います。
ならば、「想定のできないことに対する計画って何? 訓練って何?」「それって実効性あるの?」との思いもわいてきます。

 私はこのことは、簡単に言えば「防犯カメラ」論議につながるように思います。学校などで凶悪犯罪を行うなど常軌を逸した者は「防犯カメラ」に顔が写ることなどまったく気にせず行動します。「防犯カメラ」が抑止力になるだろう、なんていう意図など何の意味も持たないのです。
 「国民保護法」が何から国民を保護することを目的にしているかといえば、武力攻撃やミサイル・ゲリラ攻撃。これはもう究極の犯罪です。しかも、常人の考えの及ばない次元の。なのに、こうしたことに対して、自治体が計画を練って、住民をまきこんで訓練を実行するって、それこそ荒唐無稽のように思えます。

 私たちの世代は、過去に学んだ先人の高い見識と努力によって平和を享受してきました。そして私たちもまた、このことを次代に引き継いでいかなければなりません。「武力攻撃」なんて言葉が踊る、「有事」を想定した条例なんてつくりたくありません。