開会中の今議会では「江戸川清掃工場」が来年度から一部業務委託されることが発表されました。清掃事業が都から区に移管されているとはいえ、23区に22ある工場は各区のものではなく、23区のごみを共同で中間処理するための「東京23区清掃一部事務組合」(管理者は現在、江戸川区長)のものです。各区がごみ量などによって出す分担金によって主に運営され、江戸川区も年間30億を拠出するこの一部事務組合(以下、一組)は、法的な位置付けは23区と同様に特別地方公共団体であり、清掃事業だけの団体ながら、年間予算は1000億。やはり経営改革が命題とされ、その本丸が清掃工場の業務委託となっています。そこで一組は昨年、東京ガスとの合弁で、運転業務と売電事業を行なわせる「東京エコサービス株式会社」(社長は新宿区長)を設立したのです。
6日に開かれた生活振興環境委員会で、新たに3工場が委託され、そのうち江戸川を含む2工場がこの「東京エコサービス」に委託される報告がなされましたが、その時出された一組の資料には9月に決定した旨が。実は11月9日、行財政改革特別委員会において、すでに今年から受託業務を開始している「東京エコサービス」の実状を知ろうと、受託第一号の大田工場への視察を行ないました。(私は委員ではありませんが、希望する議員は同行できました。)質疑の中で、業務委託の成果に触れながら「来年度受託が決まっている工場はあるか?」と質問しましたが、「決まり次第報告する」との返答。すでに決定していながら、なぜここで答えないのでしょう?
区議会では、10月の決算特別委員会質疑の中で、区長が江戸川工場の業務委託については明らかにしており、私たちとしても独自の情報収集もしていたので、正式な確認の意味での質問でした。ずらりと並んだ説明者は「東京エコサービス」の社員ではなく、全員が一組幹部というのも異様で、まるで区政会館にいるよう。視察にあたっては、事前に質問事項を提出していましたが、それに沿った詳しい説明はほとんどなし。
一組の「経営改革プラン」の中に謳っているのは「透明性の確保」と「23区との連携強化」です。各区が「東京エコサービス」への出資金を出す際にも、このことは強く求め、区長も了解されたことです。しかし一組の独走体質はまったく変わっておらず、今後も業務委託の成果や売電事業の収益など厳しくチェックしていかなければなりません。