「親学(おやがく)」重視の意見書に反対

議会運営にも問題あり

→区内最初の小規模多機能施設「英(はなぶさ)」を視察(11/26)。 今回の代表質問につなげました。

  自民党から発議されたこの意見書は、「教育再生会議」で提言された「親学」の普及啓発が必要とした上で、国に「親学本部」を、また、学校を評価するために専門家による「第三者評価機関」を設けるという内容。

しかし、そもそも「親学」は、その提言内容(下記参照)が国民のみならず政府や与党内からも「国民への教育観の押し付け」「政策的な裏付けがない」「プログラム化するものではない」などの反発や批判が相次ぎ、正式発表に至らなかったという経緯があります。ちょうど参院選の前だったこともあり、有権者、特に女性層の反発を招くという判断もあったようです。「教育再生会議」の第二次報告でその取り扱いを決定すると先送りされましたが、結局第二次の中にも「親学」は登場していません。「親の学び」という文言はありますが。ということは、意見書にある「『教育再生会議』で提言された『親学』」ということ自体、事実と異なっているということ。家庭教育の重要性は十分認識しますが、国家が家庭、個人の中に入り込むことなどできるものでしょうか。今さら「親学本部」の設置の必要性などないと考えます。

また、学校評価のための専門家による「第三者機関」については、管理体制が強化されてきた学校教育をさらに締め付けるものであり、本来学校の主体である子どもや保護者、地域や現場の教職員の意見こそ尊重される学校運営が望ましいと考えます。

今日の議会運営委員会で以上の反対理由を正式に述べたところです。

ところで、意見書の提出は全会一致が原則ですが、3分の2以上でもよしとされており、今回、ネット、民主、共産、一人の会合わせて12名が反対しましたが可決。私は議会運営委員なので、本来なら発議者のひとりとなるわけですが、今回は当然はずれています。区議会の意見書がこのように強行に出されることに納得がいきません。みんながそろって同じ思いを強く持っている、それだけ大事なことだから住民の総意として意見書を提出するのでは? まずは、全会一致を模索する協議をもっとするべきだと思いますし、今回6本もの意見書が出されたことについては、乱発という感が否めず、もっと精査する努力も必要だと思います。

以下が、正式発表に至らなかったマボロシの「『親学』に関する緊急提言」

(1)子守歌を聞かせ、母乳で育児
(2)授乳中はテレビをつけない。5歳から子どもにテレビ、ビデオを長時間見せない
(3)早寝早起き朝ごはんの励行
(4)PTAに父親も参加。子どもと対話し教科書にも目を通す
(5)インターネットや携帯電話で有害サイトへの接続を制限する「フィルタリング」の実施
(6)企業は授乳休憩で母親を守る
(7)親子でテレビではなく演劇などの芸術を鑑賞
(8)乳幼児健診などに合わせて自治体が「親学」講座を実施
(9)遊び場確保に道路を一時開放
(10)幼児段階であいさつなど基本の徳目、思春期前までに社会性を持つ徳目を習得させる
(11)思春期からは自尊心が低下しないよう努める