「麻しん排除計画」推進のために

早い対応での予防策を

  乳幼児の病気だと思われていた「麻しん(はしか)」が、昨年10代、20代の若者の間で大流行しましたが、国では麻しんの撲滅目標年度を2012年とし、2007年「麻しん排除計画」が策定されています。これにともない、各自治体において予防の取り組みが強化され、これまで満1歳から2歳未満対象に行なわれていた時期を「第1期」とし、一昨年から小学校入学前年度を「第2期」として定期予防接種を拡大、さらに今年から中学1年相当の「第3期」と高校3年相当「第4期」が設定されました。これは2008年度から5年間の期限付きの措置で、江戸川区では13歳と18歳全員への新規予防接種10,300人分の予算措置を講じています。麻しんの発症を確実に防ぐためには2回の予防接種が必要とされていますが、流行の中心となった世代は幼少期に1回しか予防接種の機会がなく、昔と違い、受けなかった子どもも多くいるといいます。
  今年度の対象者は、平成7年4月2日〜平成8年4月1日生れ、と平成2年4月2日〜平成3年4月1日生れ。しかし、感染力が強い麻しんを一日も早く排除していくためには、この5年のうちに対象となる子どもたちについては、早めに無料接種できる環境を整えることが早道ではないでしょうか。「第1期」接種からは、すでに10年以上が経過しています。13歳、18歳と限定しなくても、向こう5年間の該当者であれば、希望したときに受けられるようにしてはどうか、と区に提案したところです。
 
  昨年は、子どもたちの通う高校と大学が麻しんで休講に。先日、高校2年生の保護者会に出席したとき、学校側から、麻しんの予防接種をするように、という説明がありましたが、高2は今年は該当年ではないので、無料になるから来年にしよう、なんて考える家庭もあるのでは?ワタクシごとで恐縮ですが、中学3年生もおり、無料になるのは4年後。当たり前ですが、待てば無料、待たずば自費。大学2年生にいたっては、カンペキ自費。授業料やら施設費やら修学旅行費やら部費やら、何かと出費のかさむ今日この頃、1万円x3人はコタエル。
  修学旅行といえば、昨年は、都内のある女子高が麻しん撲滅国のカナダへ麻しんを持ち込んでしまい、国際的な問題に。高2の修学旅行は海外組も多数。世界でサーズが流行した時には、海外への修学旅行を取りやめた学校も多かったのに、自国の麻しん発生の深刻さへの認識はイマイチのよう。第1期、第2期の接種率は85%程度。新設の3期、4期はもっと低いことが予想されます。
  江戸川区では、一度も接種していない生徒には、無料措置を講じることとしています(連休明けに広報)が、同時に2回目の希望者への対応も前倒しで行なうべきです。特に高3の設定は遅すぎるのでは? 
  みなさんはいかがお考えですか?

*「長寿医療制度」については、4月29日(祝)も臨時電話窓口を開設するとのこと。今回は電話のみ。午前8時半〜午後5時。5662−1415 または 5662−0795 へ。