区内の20事業所がCO2削減義務対象に

「東京都環境確保条例」

 都議会第二回定例会で改正された「東京都環境確保条例」の目玉は何と言っても、国が経済界に配慮しすぎて成しえていない「大規模事業者に対するCO2削減の義務付け」。都は2002年度から、温室効果ガスの排出量が大きい事業所(目安1500kl)を対象に、温暖化対策計画をつくらせ、その評価公表もしてきましたが、今回さらに大きな一歩を踏み出しました。誰が、いつから、何をするのか、できないときはどうするのか(罰金上限50万円、知事が必要量を調達しその費用を違反者に求償)を明確にした都知事のリーダーシップに、いつになく(!)感じ入ります。

①対象施設  燃料、熱及び電気の使用量が、原油換算で1500kl以上の事業所約1300
②制度開始  2010年度(対象事業所事前準備の部分は‘09年度から、取引き部分は‘11年度から)
③計画期間  5年程度

 基準となる排出量の起算年や削減義務率などは今後規則で決めることに。すでに成果を上げている事業所については当然考慮し、公平のしくみをつくっていくことになっていますが、排出量や削減量は、知事の登録を受けた検証機関の検証を受ける必要があります。自らの事業所での削減対策の実行が基本ですが、他者が実施した削減量の取得も可能。しかし、中小企業やオフィスビルも参加できるこの取引は、あくまでも削減努力を補完するものとして担保されるべきで、具体化にあたっては事業者との十分な協議が必要です。

 1300の対象事業所の中には都庁舎など都の施設は70ほどありますが、この中でも下水道局が占める割合は高く、都の事務事業で排出している温室効果ガスの43%を占めています。下水処理では、微生物をつかって水をきれいにする段階で、一定の熱を保ちながら撹拌したり、底の水を上に上げるポンプアップなどを24時間体制で行なっているため多量の電力を使っているからです。
 江戸川区の対象事業所は、産業部門が7、業務部門が13の計20事業所ですが、やはりダントツは下水道局の「葛西水再生センター」で総基準排出量115467㌧。‘06年度までの2年間の努力で92000㌧にまで落としています。区内のなじみの施設では「江戸川清掃工場」が10192㌧(‘05)から8422㌧(‘06)へとなっていますが、一般質問でも指摘したサーマルリサイクルの実施で、さてどうなりますか? 区の施設で唯一対象となっている「タワーホール船堀」は3873㌧→3945㌧→3871㌧と横ばい。がんばらなきゃ!