施設設計は利用者目線を大切に

「天窓」から「篠崎文化プラザ」まで

→「篠崎文化プラザ」内「篠崎図書館」は区内図書館では初めて指定管理者制度導入。「大人のための図書館」として開館時間も朝9時〜夜10時半まで。旧篠崎図書館の児童書は2010年度開設の「子ども未来館」へ引き継がれる。児童書の取り寄せは「プラザ」内でもOK。左手奥にある図書館内のトイレは従来どおりのサインで混乱なし。

杉並区立小学校で天窓からの落下死亡事故が起きたことから、江戸川区でもすぐに区内施設の「天窓」チェックが行われ、対策がとられています。ちょっと前のことですが、学校安全に関わる大事なことですので、遅ればせながらお伝えします。
小中学校106校中、天窓があるのは13校。8校については、そもそも入ることのできない屋根の上なので問題はありませんが、5校については、玄関のひさしの上や陸屋根など、子どもが窓を開けて行くことが可能であるため、通常の施錠に加えストッパーによる施錠(このカギは職員室に保管)をする対策がとられました。同時に児童生徒への安全指導も行われています。

また、135の区施設では35か所に天窓があり、13か所は通常やはり入れないところ、残り22か所についてはすでに施錠がされており心配なし。7月1日にオープンし、これから区民のみなさんがよく利用する「プールガーデン」にも、食堂のフェンスを越えれば(でも越えないように!)行けるところに天窓があったことから、ここには近日中に特注のガード柵が設けられることになっています。(現在はカラーコーンで囲われ、注意書きとガードマンの見回りがされています。)

1960年以降、1歳から19歳までの死因の第1位は不慮の事故で、これは今後も続くものと思われます。製品や装置のほとんどは健康な成人を対象としてつくられており、子どもや高齢者の目線や運動能力などは考慮されていない実態があります。今回の天窓事故も、人が乗ることを想定していなかったということですが、それは余りにも子どもの行動を知らなさ過ぎ。「ドーム型の天窓があれば、子どもは乗るはず」です。生活者ネットは、これまでもあらゆる分野への「子ども基準」を提案していますが、学校安全を考えるならば、まずは子どもの行動パターンや体格や目線を熟知した専門家が、施設設計に関わるべきです。

ところで、区内臨海町にある「東京臨海病院」の回転ドア。六本木の幼児死亡事故だけでなく、全国でも多数の事故が報告され、「タワーホール船堀」も使用停止にするなど、撤去がすすんだ中、今もって、しかも病院という施設の性格から見ても、正面玄関に付ける必然性が全くわかりません。車いすの方や高齢の方、そして子どもも通うところなのに・・。病院の見解は、空調の関係から、そしてこれまで事故もなく、クレームもない、とのことですが、肝心の予防原則の視点が抜け落ちているのでは? 

7月6日(日)、「篠崎文化プラザ」の開所式に参加しましたが、ここのトイレが男性用、女性用、障がい者用とも赤系のサインで統一されていました。それぞれのデザインマークはついているものの、すべて赤系であることから、利用者には識別しにくく、初日から混乱も。これでは「文化プラザ」の名がすたるというもの。特に高齢者や弱視の方、知的障がいの方などには不親切であり、区民の方々の意向もお聞きした上で意見したところ、早速、色でも識別できる対応がとられました。デザイン性よりも、やはり安全性と利便性がまずは確保されなければなりません。

↓同時に地下駐輪場も開設。防災訓練も行なわれた。