新たな寄付制度でNPO支援を

2009年度予算特別委員会報告②

歳入に関しては、もうひとつ、地域で活動する非営利団体への寄付制度について質問しました。

「ふるさと納税」に伴う今年4月施行の地方税制改正により、寄付金税制が大幅に拡充されることになりました。これまでは、都道府県や市区町村に対する寄付は10万円以上の寄付に対し所得税のみが控除対象でしたが、その適用対象額が10万円から5000円以上となり、所得税と住民税の控除が受けられるようになります。

 現在、区への寄付はいったん区が受けつけ、福祉の目的の場合は、主に社会福祉協議会が受け皿となり、教育に関しては木全育英基金などに入れられています。この基金は経済的理由で大学進学が困難な成績優秀者に対し、在学中、年35万円が給付されるというもの。これまでの5人枠が来年度は15人に拡大される予定です。教育や福祉の充実のために寄付をいただくことは、区としてとてもありがたいことです。

地域力を生かした協働のまちづくりをすすめる江戸川区としては、地域で公益活動に取り組むNPOなどへの寄付を受けることもまた大きな意味があると考えます。現在、区内には社会福祉法人をはじめとしてNPO法人、また、法人格はもたなくても多くの任意団体が、行政サービスにも匹敵するサービスを提供しています。いわゆる新たな公共サービスの担い手として多くの団体が、地域に根ざした、市民主体の活動を展開しているのです。

現在の法律では、NPOへの寄付控除は認定NPO法人にしか認められていませんが、いったん区が受け付け、それをNPOに助成するという形をとれば現状でもOKです。実践するためには、まず区が公益団体を選定するなどの作業が必要になりますが、事情があってなかなか活動には参加できない人も、寄付することによる参加が可能になり、また、ふるさと納税する方にとっても、江戸川区の何に、また、どんな団体に、と選択する幅が広がることで、寄付行為をきっかけにふるさと江戸川をよく知ることにもなるのではと思います。

定額給付金支給の作業が始まっていますが、受け取ったお金を地域のために、と思われる方もいるでしょう。江戸川区での総支給額は100億円にもなりますが、そのうちの1%が寄付されればなんと1億円、0.5%でも5000万円。有効な施策につながることでしょう。
 
寄付の機運も高まり、寄付がしやすい状況になっていることについては、広報えどがわやHPなど機会をとらえて積極的にPRしていくべきとも述べたところです。