7月に入り、12日(日)投開票の東京都議会議員選挙の告示が二日後に迫りました。ご家庭にも、すでに投票所の入場券が届いている頃かと思います。
生活者ネットワークが市民の政治団体として政策提案活動を始めて33年、都議会に議席を得てから24年になります。この間、東京で唯一の地域政党として、都民の生活における課題解決に取り組んでまいりました。
東京というコミュニティの希薄な大都会での子育てや介護を経験する中で、子育てや介護を当事者だけの問題にせずに、地域社会で広く支えるしくみが必要だと実感し、その提案を当初からしてきたのは私たち生活者ネットワークです。その後、介護保険制度ができ、待機児解消のための認証保育所など多様な保育施設がつくられました。しかし、ますます少子高齢化が進む中においては、高齢者のひとり暮らしやひとり親家庭は増加の一途をたどり、障がい者の自立支援もまだ道半ばです。学齢期最終ステージの子どもの自立を支援して貧困の連鎖も断ち切らなければなりません。
このような状況にあってなお、石原都政は、予想どおり、ずさんな経営が浮き彫りになった新銀行東京に1400億円、都民の多くが望まないオリンピック招致に183億円、不要な八ツ場ダム建設に1200億円もの税金を投入してきました。都議会生活者ネットワークはこれらに当初から反対の立場を貫いています。
まちを歩いていて都民・区民のみなさんから聞こえてくるのは、こうしたことにお金を使うのではなく、誰もが安心して住み、働き、子どもが育ち、適切な医療が受けられ、豊かな老後が過ごせる、そんな生活のまち、東京の姿を求める声です。こうした生活者の痛みや不安を安心に変えるためには、市民の意思がきちんと反映される都政へと転換しなければなりません。オリンピックより今必要なのは、就労、福祉、教育の充実です。
この選挙で大事なことは、生活の現場の課題をよく知った人を都議会におくるということです。連日の報道によると、都議会議員選挙が総選挙の前哨戦として位置付けられ、都議会から政権交代などとも言われています。しかし、東京都は地方自治体であり、東京都議会は自治体議会です。国会の状況がそのまま投影されるものであってはならず、先に述べたように、都政の課題を争点にしていかなければなりません。
東京という地域から、引き続き生活重視の政策を提案し、実現していくために、今回、杉並、世田谷、練馬、北多摩二、南多摩、そして昭島(推薦)から市民の議席獲得を目指していきます。杉並、練馬、北多摩二区では、ネットのルール、議員のローテーション(最長三期での交代制)にも挑戦です。
これまでにない、新しい取り組みをすすめてきた地域政党の実績をぜひ評価していただき、生活の不安を安心に変える都政にするには何をなすべきか、改めてお考えいただければと思います。