だから大事な議会改革

全国交流会議より

→栗山町・橋場議長からは「議会基本条例の展開について」、三重県・三谷議長からは「議長マニフェストなどの取り組みについて」、会津若松市の松崎議員からは「市民との意見交換会の実践について」それぞれ報告がありました。(左から) 

 7月25日、26日に行われた「市民と議員の条例づくり交流会議2009〜市民と議会の次のステップ」に参加しました。
 この会議は2001年に始まり、全国各地で地域の課題解決に取り組み、政策提案や条例づくりをめざす市民や議員、研究者や自治体職員らが知恵と経験を共有し、互いに学びあい、提起しあうために交流する場として開催されています。東京・生活者ネットワークもそのメンバーであり、今年からは私が運営委員として参画をしています。

 初日、全体会の会場は明治大学アカデミーコモンホール。
 呼びかけ人・廣瀬克哉法政大教授が「真価が問われる議会改革」をテーマに、まず、先の都議選に触れ、「有権者は都議選で内閣不信任投票をした」とし、「都議選の最も深刻な敗者は都議会という機関だった」と総括。その上で「何よりも都政の機関としての議会の役割、議会活動がきちんと見えるようにすることが重要」と話されました。今や、53.9%の議会が改革に取り組んでおり、議会基本条例を制定した自治体は63、検討中の議会は50以上に上ります。しかし、中には制定で改革完了か、というような自治体もあり、廣瀬教授からは「自己目的化してしまっている面がある」とも。やはり「議会基本条例をどう使っていくかが問われており、議会活動を見えやすくし、住民にそれをわかりやすく説明して存在意義を認知されなければならない」。そのためには「議決以上に議員間の真剣勝負の討議が重要であり、その過程も含め、いかに公開機能を果たすか」また「議員個別ではなく、議会という機関がいかに市民との相互理解と信頼関係をつくるかがカギであり、信頼の醸成は活動経験の共有から生まれる」との提言がありました。圧倒的に優位な行政に対しての有効な立脚点は「住民と常に対話し、住民に頼られる議会になっているか」ということ。「議会の力は議員だけ、また、議会だけでは生み出せない。市民の議会になることが議会の力を高めるという認識の共有と、それに基づいた具体的な行動の展開を」と呼びかけがありました。

 次に、明治大学公共政策大学院ガバナンス研究科の中邨章教授の基調講演。「二元代表制とは名ばかりで、権限もなく、人事権もなく、金もない議会では、もはや立法機関として機能しうるはずもなく、これからは行政監視機能と百条委員会の充実に徹すべし」との大胆な発言が。立法を続けるのであれば「議会事務局人事の改訂、議会付属シンクタンクの創設、議会人の専門領域化など後方支援の強化が不可欠である」とし、「市民参加型議会へ移行しなければならない」と。その中では、「議会広報の仕方に大いなる工夫が必要である」との指摘が。教授ご自身、「行政の広報紙は情報満載で面白く、よく読んでいるが、議会広報はそのままチリ紙交換へ」。なぜなら、「議会広報には面白味がなく、市民が読みたいと待ち望むような内容になっていない」とバッサリ。時に物議を醸す内容を含め、会場の笑いもとりつつ、持論展開がなされました。

 このあと、栗山町、三重県、会津若松市の議会改革について、それぞれ先進的な報告がなされた後、等身大の議会改革として、私から江戸川区議会の報告を。2007年の「変えなきゃ!議会」(このサイトの左上参照)賛同議員のひとりとして、先の統一地方選挙後から区議会が改革をすすめてきた内容を発表しました。それはまた次回に。