財源は見込める?避難のための人道橋

橋よりも住宅の耐震促進を

総務委員会の員外発言では、以前サイトでもお伝えした都県橋についても質問通告していました。員外発言は、総務委員の質疑応答がすべて終ってから行なうので、聞きたいことはすでに出ていたことから、意見だけを述べました。

延長430m、幅員7.5mの人道橋(緊急車両通行可)の予算総額は40億円ほど、また、新政権での財源確保については、国交省に事業内容を提出しているが、特に見直すようにとは言われていないとのこと。予算の半分は国庫補助が見込まれています。

幅員を半分にするとはいえ、流量の多い一級河川の江戸川に橋を架けるとなれば大きな事業であり、費用もかさみます。そもそも橋は、多目的な都市基盤である道路とは異なり、入口と出口しかなく、橋下の空間活用もできないこと、また、今回のように日常利用のためではなく、非常時のための新たな橋となれば、公共事業の中でも費用対効果が特に問われる公共事業と言えます。区は、国も防災の観点を最優先しており、緊急性が高いとして、この避難橋の必要性を主張しますが、それならば、主体となっていた都や県が優先順位を上げてすすめればいいのであり、自治体の防災対策ならば、住宅や施設での耐震改修こそ緊急度の高いものとしてさらにすすめるべきと考えます。

区はこの3月、住宅などの耐震化率を2015年までに95%にするという高い目標を掲げた耐震改修促進計画を立てました。避難する橋があっても、家がつぶれて命を落としては何にもなりません。この計画を一日も早く達成し、さらに対象を拡大することに税を投入する方がより現実的な対策と言えます。この橋がなくても、京葉道路や篠崎水門など、移動の経路は現状あります。水がつかなければ、都営地下鉄の線路も利用できるでしょう。公共事業を厳しくチェックする新政権の下では、財源確保についてもまだまだ大きな不安材料ではないでしょうか。