2010年、やっぱり、子育て介護は社会のしごと

住民の意見が反映されるまちづくりをすすめます

国民の手で成し遂げた政権交代によって、これまで政策課題になりえなかった保育、介護、ひとり親家庭、自殺者、貧困対策に目が向けられ、人に投資し、個人個人をエンパワーする第三の道が開かれました。官僚たちが一度決めたら、それを検証することもなく、住民の声を反映することもなく突き進んできた公共事業にも風穴が開けられました。
 
政権が変われば政策が変わり、政策が変われば社会が変わる——。
価値観の多元化と政策の可塑性を国民が体験することが政権交代の意義である、と政治学者・山口二郎さん(北海道大学教授)はおっしゃいます。

今後日本がすすむべき方向は、困難やリスクを個人化するアメリカ型競争社会ではなく、かといってリスクの社会化を裁量的政策で補う旧政権型ではもちろんなく、ルールや基準を明確に示す普遍的な政策によってリスクを社会化する西欧型福祉国家です。

中でも肝心なのは、私たち生活者ネットワークが90年代から訴えている「子育て・介護は社会のしごと」をさらにすすめていくこと。これからの男女共同参画社会を支えるために、旧政権がしてこなかった、供給能力を需要に合わせる方策をとっていかなければなりません。ワークライフバランスにより、一家庭の平均年収による暮らしを支える社会制度も必要です。

新政権の下では地方分権がすすみ、まさに「大事なことは地域が決める」時代になります。「国民の生活が第一」とは、まずは「今そこに住む国民の生活が第一」ということではないでしょうか。
政策形成段階からの住民参加をすすめ、生活の現場からの声を反映させることで、住民が主役の豊かな地域社会をつくっていきましょう。

今年もどうぞよろしくお願いします。