新年に思う、新しい政権・新しい公共

江戸川ネット視察報告・上越市安塚区に学ぶ

→NPO法人「雪のふるさと安塚」の代表理事にヒアリング。昨年11月。 

 2010年のお正月、私は20年ぶりにふるさとの三重県志摩町で過ごしました。
 志摩地域の5町が合併して丸5年。その南端に位置する志摩町ではなかなか合併のメリットが感じられない、と帰省するたびに思います。3000以上あった自治体を1789にした平成の大合併。その総括はどこでどうされるのでしょうか。
 また、まちのそこここで見かけるのは下野した自民党・新総裁のポスター。岡田外務大臣のお膝元、三重県に5つある選挙区のうちで、唯一小選挙区で民主勝利とならなかったのもうなずけてしまいます。海の恵みに支えられてきた地場産業も衰退の一途をたどり、さらには政権交代のムードすら実感できないまちの様子に取り残され感を覚え、不安が募りました。

  一方、昨年11月に江戸川ネットの視察で訪れた新潟県上越市安塚区。元は安塚町でしたが、2005年に15市町村とやはり合併し、上越市となりました。
  合併にあたり、まちでは、コミュニティ機能の低下を予想。その未然防止策として、それまで役場が担ってきた仕事を地域で支えるNPO法人「雪のふるさと安塚」を設立しました。全世帯に入会を呼びかけた結果、85%が会員に。旧安塚町(矢野学町長)からの8,000万円の寄付を原資に、地域づくり、産業振興、景観・文化振興、観光、情報発信の5つの部会が設置され、住民だけでなく集落の自治会や地域のボランティア団体も参加しています。
  豪雪地帯ゆえに、住民は大量の雪に苦しめられてきましたが、その厄介だった雪を生活の中に生かすよう発想を転換。「雪室(ゆきむろ)」に蓄えた雪の冷気を食料の貯蔵に利用するだけでなく、建物冷房にも使用。雪1トンで石油10㍑、30kgのCO2削減に。市内11の施設で年間1万㌧の雪が自然エネルギーとして有効活用されています。
  この、棚田の美しい山あいのまちで目にしたのは自民党ではなく民主党のポスター。しかも畑の小屋や、1日数本しか便がない山頂のバス停にまで。国のすみずみにまで民主党が浸透しているのだと政権交代を実感したものですが、わがふるさとの様子と比べれば、進取の精神が息づくまちと、そうでない地方との歴然とした差ということだったのでしょうか。

 さて、今日は午前中に江戸川区の新年賀詞交歓会、夜には地元の小松川・平井地区の新年を祝う集いがありました。
  区の新年会式典での来賓挨拶、国政代表は自民党衆議院議員。昨年10月の区民まつりの時と同じ議員です。都議会代表は、区民まつりでは民主党議員、今回は公明党議員と分担されていたにも関わらず、です。区には政権政党・民主党の衆議院議員が3人もいるというのに、この区の判断は、いかにも恣意的で、生活者の目には不自然に映ります。
 取り残されないでよ、江戸川区・・
 
↓美しい棚田風景が広がる。都会の生徒に農業を体験させる独自のプログラムも実施。右は、雪室の前で。