公共事業国庫補助金廃止で区のまちづくり事業はどうなる?

2010年度予算特別委員会報告②

 2010年度の国の一般会計総額は92兆3000億円。前年度比4.2%の増となりましたが、税金の使い道を「コンクリートから人へ」とシフトする中で、公共事業関係費は約1兆3千億円削減され18.3%の減。一方、人に関わる社会保障関連費の占める割合が初めて予算の半分以上を占め、国民が望んだメリハリのある予算になっています。

  区の予算にある国庫補助金の中でも、土木費関連が5億2千万の減、都市計画費関連が約4億の減です。まず、これは、国の方針が色濃く反映されたものか、単純に区の事業のパイが前年度より減っているものなのか質問したところ、両方の要素があるとのこと。

  国土交通省関係の個別補助金については、2010年度に原則廃止し、既存の交付金と合わせて、2.2兆円の枠で「社会資本整備総合交付金」が創設されることになっています。これまで事業別にバラバラで行なっていた関係事務を一本化・統一化することで、客観性や透明性の向上、使い勝手の向上につなげるという考え。治水やまちづくり、道路事業など今まで7つに分かれていた個別補助金の代わりに、市街地整備や水の安全・安心基盤確保など、4つ程度の分野に絞る予定ですが、これまでのどの補助金が総合交付金化され、どの交付金が新たな総合交付金に統合されるのか、配分方法も含めて詳細はまだわかっていません。ということは、予算書に明記されている補助金は、従来の算定基準に基づくもの。財源確保には不安が残ります。この点についてどう考えているか、また、こうした変化を自治体としてどうとらえて対処していく考えかを聞きました。

  これについては、国の動向を注視するしかない、との区長答弁。

  国の方針変換は、東京都の支出金にも当然影響があります。都も新交付金の創設について予算概要説明の中で「今後、財政力指数による調整など不合理な制度設計がなされないよう求めていく」と、警戒感を示しています。さらに、原口大臣のもとで行なわれている「地域主権戦略の行程表」(原口プラン)によると、「2011年度以降は、ひも付き補助金を廃止し、一括交付金化する」考えが示されています。そうなれば、自治体の事業のあり方全般に影響を及ぼすことにもなり、政策的費用について自治体の考えが強く問われてきます。まさに地域主権であり、これまでのように補助金がつくからやるということではなくなる中、やはり区民との対話を重視して、あらゆる場面での住民参加をすすめる、住民調査もしっかり行う、その上で区民のニーズを正確に把握して施策形成に努めるというプロセスが今まで以上にとても重要です。国の新しい方針に対応していけるように区としての準備をしっかりすすめていく必要があります。