小中学校で清掃工場発の電力購入開始

2010年度予算特別委員会報告③

清掃工場で生まれる電力は、生ごみの焼却によって発生することからバイオマス発電とされ、新エネルギーとして認められています。東京23区清掃一部事務組合(以下、一組)は発電効率のいい7工場の電力を、23区も出資してつくった東京エコサービス(株)に売却していますが、そのうち1万キロワット分が、4月から23区の小中学校100校で活用されることになります。

江戸川区では、平井東小と平井西小、篠崎第三小と篠崎第四小での活用が決まりました。学校は、これまでの東京電力との契約より、1kwあたり50銭安く購入することができるため、一校あたり年間9万円の電気代削減になるとされています。また、官民問わず、今後は温室効果ガス排出総量削減が求められますが、新エネルギーの使用はCO2のカウントがされず、公共施設としては大きなメリットといえます。

今回の供給電力は、江戸川清掃工場と大田第一清掃工場の2工場からとされていますので、江戸川区の小学校にとっては、特に、地域で生まれた資源が地域に還元される、エネルギーの地産地消ということでアピール効果が期待されると思われます。しかし、バイオマスとはいえ、実は新エネルギーではない石油由来のプラスチックも多く焼却されており、その規定内容が問題視されてもいるところです。
コスト面においても、現状、東京電力の夜間電力を購入し、いわゆるエコアイスを取り入れている場合は、蓄熱調整契約による夜間料金の適用により昼間料金の4分の1程度で済み、こちらの方がより節約できます。

一組は、学校がごみ発電の電気を使用することは環境教育に資するとしています、環境教育の基本は、資源化の推進とごみの減量にあり、より多く発電することとごみ減量は相反する部分があることから、子どもたちが混同しないように配慮する必要があることを指摘しました。

子どもたちが誤った認識を持つと、それが家族に伝わり、江戸川区のプラスチック回収量はさらに下がることが懸念されます。一日のプラ回収量は初年度目標が17㌧、今年度12㌧、来年度10.5㌧と下がる一方です。ごみ焼却による熱量の活用は合理的な面もあり、否定するものではありませんが、課題がある以上、ごみ発電礼賛にならないよう十分留意すべきであり、このことを学校現場によく伝えるよう要望しました。