区立園で待機児解消の緊急対策を

第二回定例会一般質問から①

江戸川区の就学前人口は39100人台と減少傾向が続いていますが、4月現在の待機児は295人に。昨年のデータでは全国24位、都で9位でしたが、今年はさらにこれを上回ることが予想されます。その中で最も多いのが1歳児182人。待機児解消はここ数年のうちに集中的にとりくむべき課題です。

待機児解消は認可園で、という要望は利用者共通の思いであり、区は今年度も待機児解消に7億円を投入、新設の私立園の家賃助成、来年度新設及び改築園の建設費助成などに充てました。しかし、財源制約も強まる中、高まる一方のニーズへの対応は、私立園新設一辺倒ですすむより方策はないのか。そこで、私立及び区立認可園の現状を調べてみました。

1歳児の乳児室における国の面積基準は、3.3㎡にひとりという割合で、民営化園については、ほぼこの基準に沿った保育が実施されています。定員より6名多く受け入れている園ではすでに国基準を割っている園も。私立園のデータも請求しましたが、民営化園と同様、との口頭説明だけで出してもらえませんでした。都会における待機児解消策として、一時的な面積基準の緩和も認められたことで、子どもの発達保障への影響が懸念されていますが、実は区立園ではその逆の現象にあり、今現在もかなりの余裕を持った保育が行なわれていることがわかりました。

国基準の倍の6.6㎡以上にひとりという園が10園もあり、その内7㎡以上も8園、最大では9.6㎡にひとりと、何と基準の3倍近い状態の園もあります。3.3㎡というのは最低基準ですから、余裕があるのは喜ばしいことですが、待機児解消が喫緊の課題であり、区内に6箇所ある認証保育所B型では、すでに2.5㎡にひとりという1歳児保育が実施されている現状を鑑みれば、こうした区立園で、もっと受け入れ枠を拡大する必要があるのではないでしょうか。

先の10園に限って国基準にあてはめた場合、少なく見積もっても1、2歳児の定員を160人以上増やすことができる計算です。もちろん面積だけの問題ではなく、定員に見合った施設整備や保育士配置基準も考え合わせなければなりません。しかし、現存する課題に適切に対応するためには、それらの要素を含めて、こうした区立園の有効活用の再検討をすべきではないでしょうか。

民営化と同時に、区立園の充実も図ることで、保育サービス全体の活性化を図らなければなりません。区立と私立の運営水準は同じ、とはとても言えない状況です。民営化にばかり力点が置かれて、区立園の意識の低下や、退職不補充による保育士の年齢構成のアンバランスによる保育環境の悪化などを招くことがあってはなりません。