先の一般質問に対し、現状のまま私費扱いでいいという根拠のひとつが「自校式の給食を実施しているから」ということでした。
東京では、国分寺市が21年9月から公費化しています。小学校は自校式、中学校は弁当併用外注方式と別の方式をとっていますが、いずれも公費化。同年、福岡市も公費化していますが、小学校146校が自校式、中学校68校と特別支援学校7校はセンター式ですが、やはりすべて公費化しました。何方式だから、ということは理由になりません。
江戸川区における給食食材費は、学校の規模によって年間700万円から4000万円近い額。年間総額は27億2200万円にも上ります。教育の一環というその目的からも、見えない会計の適正運営を図る観点からも公費化していくべきと考えます。
区では、平成14年に「学校給食ハンドブック・会計事務編」を、また一昨年には「学校徴収金事務取扱規定」もつくり、「事務処理方法をきちんと定めているので、問題ない」ということでしたが、平成17年から21年までの監査報告をチェックしたところ、毎年複数の指摘を受けています。
・金銭出納簿と教育委員会に提出される会計報告、また保護者向けの決算報告の金額が異なる。
・これが一致しないまま校長確認がなされたとされている。
・繰越金を少なくするために最終の3月分で、意図的に多数の食材が購入されている。
・支払い漏れや支払遅れがある。
・給食年間計画が作成されず、作成されていても学校長への報告・承認がされていない。
・給食会計の徴収と支払事務は必ず分ける、とされ、その他の事務も複数で担当する、とされているのに、実態は一人が担当している。
監査報告には「給食会計は多額の現金を取り扱うので、不正や過誤が起これば大きく区民の信頼を失うことから適正な処理に努めるように」と何度も繰り返し指摘があります。区では一昨年、ある中学校で私費扱いの積立金の使い込みが発生、事務職員が懲戒免職となりました。国分寺市では、監査から公費化についての意見、指示もあったといいます。
区の一般会計を通し、教育委員会の一括管理になれば、職員の配置やシステム利用料などがかかるものの、その分、学校現場の負担を減らしたり事故を防ぐことができ、事務の透明性を図り、行政責任を明確にすることができるのです。